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初村 慶章
日本医療ビジネス株式会社

医療施設コンサルタント直伝! 開業地の選び方
③ 医療モール設計の落とし穴

医療モールのタイプ

医療モールのタイプとしては、大きく分類すると、「ビルインタイプ」と「別棟式タウンタイプ」の2種類があります。
「ビルインタイプ」をさらに分類すると、「一般テナントビルタイプ」と「クリニック専用ビルタイプ」の2種類があります。特に一般のテナントビルの特定のフロアに医療モールを開業させる「一般テナントビルタイプ」の物件には、致命的な落とし穴があるものが多いので注意が必要です。

 

 

医療モール設計の4つの落とし穴


◆落とし穴①  「天井高さ」不足
一般テナントビルの場合、有効天井高さ(=床仕上面から天井仕上面までの高さ)は2.2~2.3メートルであることが一般的です。これは事務所や店舗を入居テナントとして想定しているからですが、クリニックは事務所と違って、十分な天井高さ(有効で2.7メートル以上)が必要です。その理由はレントゲン室などの防護工事のスペースや各種医療機器の設置上の高さ確保のためです。

◆落とし穴②  床下の配管スペースの余裕が不足
クリニックの床下は十分な配管スペースの確保のために、床スラブを通路やホールの床面から25~30cm下げる必要がありますが、事務所の場合はOAフロア仕様ということで、配線のために10cm程度しか下げていないのが普通です。これでは、トイレやシンクなどの水回りの給排水配管を切り回すことができません。

◆落とし穴③  天井裏のエアコンやダクトの設置スペース不足
標準的なエアコンは天井カセットタイプを付けるために、天井スラブ面から45~50cmのところが天井仕上げ面となるように、十分な天井フトコロを確保する必要があります。クリニックの場合は部屋数が多くなるために間仕切りが多く、エアコンの吸排気ダクトを天井裏を通して外壁までつなげる必要があるからです。この時に別な問題として、鉄筋コンクリートや鉄骨の梁に必要なダクト穴が前もって開けられていない場合があります。あとから梁に穴を開けることは、ビルの構造の強度に影響しますので、家主が難色を示すことも多いものです。

◆落とし穴④  クリニック内装設計・施工の知識不足・経験不足
一般の事務所テナントビルの場合は有効天井高さが2.2~2.3mの場合が多いということは既に述べましたが、ドクターが賃貸契約した後に内装工事の段階で天井高さ不足や、床下配管スペース・天井裏ダクトスペース不足が判明して大きなトラブルになる例もあります。また、一般的なテナントビルだけでなく、医療モールビルの中にも設計した設計事務所や工事を担当した建築会社が、クリニックの内装設計に関して知識不足・経験不足であったために天井高さや床下配管スペースが足りない物件も散見されます。

開業を成功させるためにも、これらの落とし穴に注意していきましょう。


アドバイザー情報


日本医療ビジネス株式会社
初村 慶章(ハツムラ ヨシノリ)

大手ハウスメーカー在籍中は、営業戦略の立案、営業手法・ソフトの開発、テナント誘致支援業務、医療介護等の分野別営業スキルの開発などに従事。 その後、退社し、日本医療ビジネス株式会社を設立し、代表取締役就任。医療・介護施設開発コンサルティング事業を主力に置き、 診療権調査や医院開業支援業務などに取り組み、現在に至る開業物件のプロフェッショナル。

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