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初村 慶章
日本医療ビジネス株式会社

医療施設コンサルタント直伝! 開業地の選び方
② 成功する開業候補地の選定の8つのポイント

現状を調査し、将来の市場を見極めることが大切


開業地は、以下の8項目についてしっかりとした調査と分析を元に検討する必要があります。それが開業の成功のカギと言えます。

①ロケーション
開業候補地のロケーションとは「最寄駅からどのくらいの所にあるか」、「周辺エリアがどんな地区か」、「周りはどんな建物が多いか」など、候補地のある周辺の環境を意味しています。後で述べる診療圏(市場性)や将来性(地域発展)にも影響しますが、診療科目によってロケーションの適否が異なる場合もありますので、候補地のロケーションの判断は大事です。


②立地条件
開業候補地の立地条件とは敷地に関する次のような条件全体を意味しています。
(1) 敷地の間口・奥行・形状・高低差・面積
(2) 道路付・前面道路幅員・中央分離帯の有無・歩道の有無・通行方向
(3) 前面道路交通量(車両・歩行者)・視認性
(4) 隣接地・対面地の状況(建物・業種)


③診療圏(市場性)
標榜科目の診療圏(市場性)は最も重要な調査項目のひとつです。診療圏調査ソフトによる基本的な調査結果をベースに、さらに詳しい実地調査を行うとよいでしょう。


④競合状況(競合医院)
自分と同じ科目の既存医院の運営状況を調査することも重要な調査項目です。院長さんの評判や医院の施設の内容など様々な角度から調査を行います。


⑤建物条件
開業候補地の建物条件とは次のような条件を意味しています。

(1) 有効天井高さ2.7メートル以上
有効天井高さは2.7メートル以上必要。レントゲン室などの防護工事のスペースや各種医療機器の設置の高さを確保するためです。

(2) エレベーター(最低条件は11人乗り以上の車椅子対応タイプ)
エレベーターはバリアフリーが基本ですので、車椅子対応タイプかストレッチャー対応タイプが必要です。

(3) 入口自動ドア(タッチキータイプ)
クリニックの入口自動ドアは「タッチキータイプ」にして、人が通る度に開かないように配慮します。

(4) スケルトン渡しか内装仕上済渡しか
建物区画のテナントへの引渡はスケルトン渡しと内装仕上渡しの両方のケースがありますので、初めの段階で条件を確認するようにしましょう。

(5) キュービクル(変電設備)電力・動力容量
キュービクル(変電設備)は医療機器使用の大事なインフラですので、電力・動力の各容量を事前に確認するようにしましょう。医療機器の必要な容量も事前に調べてください。

(6) 給排水配管位置
クリニックのレイアウトプランに影響するので、給排水管の立上げ位置の確認も大事です。

(7) ダクト穴の数と位置
エアコンの吸排気や換気のためのダクトを通す穴の数と位置が十分確保されているか確かめましょう。

(8) 床下配管スペース・天井裏排気ダクトスペース
トイレやシンクなどの水回りの給排水管の床下配管スペース(25cm以上)と天井裏の吸排気ダクトスペース(45cm以上)がちゃんと確保されているか確かめましょう。

(9) 個別セキュリティ・全体セキュリティ
セキュリティは完璧に装備されるかを確認しましょう。共用部分と個別区画部分のセキュリティを総合的に組み合わせる建物全体のセキュリティシステムもありますので、自分の事情に合うセキュリティを警備会社と相談してください。

(10)駐車場台数・駐輪場台数
駐車場・駐輪場が十分確保されていると来院患者数が伸びますので、極力多めの台数があるか事前に確認してください。

(11)専用看板・共同看板
広告手段としては、建物壁面看板・袖看板・スタンド看板・野立看板・電柱看板・駅看板など様々な種類の看板があります。立地条件に応じて費用対効果を考慮しながら看板の製作を行いましょう。


⑥賃貸条件
賃貸条件は保証金、家賃、共益費、駐車場賃料、契約期間など基本的な条件以外に、日常の建物管理項目に関するもの、契約更新や名義変更・承継など契約項目に関するものなど様々です。事前に賃貸契約書案を預かって、信頼できるアドバイザーにチェックしてもらいましょう。


⑦医療モール構成(他科目種)
医療モール構成(他科目種)も大事なチェック項目です。自分の標榜科目と一部でも競合するような科目のクリニックがあれば、当然来院患者数に影響しますので、既に入居開業が決まった科目を事前に調べることは当然ですが、後から入居開業する科目について競合しない科目にするという条件を貸主との間に覚書で約束しておくべきです。


⑧将来性(地域発展)
開業候補地の将来性(地域発展)についてもしっかり調査することが必要です。開業時点では診療圏調査の結果があまり芳しくなくても、大規模分譲マンションや大規模ニュータウン開発計画、市街地再開発計画が近いうちに行われることが決定している場合は市場がこれから伸びることが十分期待できます。今後の地域発展の可能性も候補地選びの大事な要素として考えましょう。

アドバイザー情報


日本医療ビジネス株式会社
初村 慶章(ハツムラ ヨシノリ)

大手ハウスメーカー在籍中は、営業戦略の立案、営業手法・ソフトの開発、テナント誘致支援業務、医療介護等の分野別営業スキルの開発などに従事。 その後、退社し、日本医療ビジネス株式会社を設立し、代表取締役就任。医療・介護施設開発コンサルティング事業を主力に置き、 診療権調査や医院開業支援業務などに取り組み、現在に至る開業物件のプロフェッショナル。

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