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鈴木 慎一
株式会社エム・クレド 代表取締役

価値ある開業物件を見抜くテクニック
② 開業地の情報は「薬局」に聞け!

開業の成功のために「薬局」の声を聞こう

すでに持っている不動産がなければ、医師がそれぞれのバックグラウンドに合わせた開業地の選定をする必要がある。
医療機関の競争が激化するなかで、いかに優良市場の物件に出会うか。それは運命の分かれ道といっても過言ではない。
失敗を避けるには、開業場所として検討しているエリアのマーケット(医療ニーズ)を分析することが最優先だ。
この確認作業を怠るべきではない。

単なるマーケット分析のみならず、住民の気質や街の雰囲気、医療環境などの情報を直接仕入れることが大切だ。
なぜなら、医師自身が望む医療理念とエリアがマッチするかどうかを、自身の目と耳、肌で感じ取り吟味する必要があるため。
その際、地域住民からのヒアリングだけではなく、薬局(薬剤師)からの聞き取りを確認することを強くお薦めしたい。

薬局との連携が医院経営に大いに役立つ


地域の医療情報や競合環境についてアンテナを張り巡らせ、地域の健康ステーション機能を担っているともいえる「薬局」。そこで働く薬剤師は、患者さんからの生の声を直接聞くことが多い環境にいる。過不足な診療科目はなにか、競合クリニックの患者さんの評判はどうかなどを聞き取ることで、開業地の選定のみではなく開業戦略をつくるにあたっても参考にできる。ただし、注意点がひとつ。開業地を選定している時点で、個人情報を明かすのは慎重に行うべきである。コンサルタントを通して確認するか、同行してもらうのも得策だろう。

また、薬局と繋がりを持つことは、今後の増患とも深く関係してくる。自院のパンフレットを置いてもらったり、事前に挨拶しておけば、口コミ発生源ともなり、患者の紹介も期待できる。院外処方であれば患者が最終的にコンタクトするのは薬局であり、そのときの薬局(職員)の対応如何によっては、クリニックにも影響を及ぼしかねない。特に薬剤師は個々の資質レベルがまちまちな傾向があるが、質の高い薬剤師の存在はその薬局はもちろん、医院にもいい印象を残してくれる。さらに、患者は、クリニックに感じた好感や批判を薬局で口にすることが多い。薬剤コンプライアンス情報以外にも、患者のニーズや本音など、様々な情報をフィードバックしてもらうよう連携をとっていくことも必要だろう。

薬局以上に情報を持つ場合がある「薬卸」

もうひとつ忘れてはならないのが「薬卸」の存在。薬卸の開業担当者からのすすめで開業を決意する医師も多く、特にセンスのある担当者であれば良い物件情報も持っているものだ。抱えている各地域の医療情報は計り知れないほど。相談者として利用するにはもってこいの存在かもしれない。 無料で開業をサポートしてくれるのも魅力だが、無料の意味をよく理解して相談に望んだほうが良いだろう。

薬局にせよ薬卸にせよ、クリニック開業のノウハウまでも豊富に持っている企業の数は多くない。私どものように、調剤薬局を展開しながら開業支援を行っている企業もいくつかあるので、積極的に活用していただくとよいだろう。そのときに気をつけていただきたいのは、自社の物件のみを薦めてくる企業ではなく、他社の物件も正当に評価して薦めてくれる企業なり担当者かどうかを見極めること。心強いのは圧倒的に後者のほうだろう。

アドバイザー情報


株式会社エム・クレド 代表取締役
鈴木 慎一(スズキ シンイチ)

長年、大手医療モール開発会社で医師の開業に携わってきた経験を活かし、現在は同社で、独自のマーケティング手法を用いて医療モールの開発と医師の開業支援に従事している。また、リース会社への出向経験もあることから、資金調達にも強い。物件選定から資金調達、開業に至るまでの諸準備をオールマイティに支援し、開業の相談に応じている。

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