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石川 辰雄
医業経営コンサルタント・国際上級ファイナンシャルプランナー

大増税!?開業医と平成25年度税制改正大綱について

 

先日1月24日に「平成25年度税制改正大綱」が発表されました。 今回は、開業医に関連のある主な改正案についてお伝えします。

消費税増税は既に決定していますが、今回の改正案では所得税と相続税において「富裕層への課税強化」路線がより明確になっています。 今回新政権が発足し世間がアベノミクスに沸く中、脱デフレ、物価目標2%、日銀政府共同声明、、などの見出しがメディアに躍っています。
確かに長引く不景気ムードを吹き飛ばし、日本の元気を取り戻したいのは国民全員の願いでしょう。 しかし、国の財政(台所事情)は決してよくありません。というより最悪な状態です。
同じく発表された平成25年度の予算案では、「税収43兆円、新発国債43兆円」と予算の約半分を借金に頼り、そして借金返済(国債費)に22兆円を回すといった状態です。 税収が伸び悩み、社会保障費が増加していく中で、今後も富裕層への課税強化は続いていくでしょう。


そういう流れの中で、薄給激務の研修医時代を乗り越え、苦労して開業しようやく軌道に乗ってきた段階で「所得の半分以上を税金で納める」先が待っているとなると、開業医のモチベーションを下げかねません。 これからは、クリニックをうまく軌道に乗せていく一方で、お金のこともしっかり自己防衛を図ることがより重要になっていく時代だと断言します。
そして、今の個人増税・法人減税の流れは、今後も「開業医の医療法人化」の流れを後押しすることになり、法人化のご支援がますます増加していくのではと個人的に思っております。

是非、ファイナンシャルプランナーや医業経営コンサルタント、税理士の助言に基づいて対策を講じられてください。

これより先は主な改正点をまとめました。ご一読ください。

【ご注意】
「平成25年度税制改正大綱」はあくまでも改正予定であり、国会での法案可決・成立を受けてはじめて 適用されますので、ご留意下さい。

 

 

所得税編(主な改正案)

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 所得税の最高税率の見直し
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富裕層への課税強化として、所得税の最高税率が引上げられる見通しです。

 【現 行】
 最高税率 :  40% (課税所得1,800万円超)

 【改正案】
 最高税率 :  45% (課税所得4,000万円超

※2015年(平成27年)1月以後の所得税について適用されます。

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 住宅ローン減税の延長と拡充
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消費増税による駆け込み需要と反動減を考慮し、住宅ローン減税(所得税)の最大控除額を現行の2倍に引上げる(一般の住宅の場合)。

 【現 行】
   居住年              借入限度額      控除率     年間最大控除額   通算最大控除額
 平成25年1~12月          :  2,000万円     1.0%         20万円          200万円

 【改正案】
   居住年               借入限度額      控除率     年間最大控除額   通算最大控除額
 平成26年1~3月           :   2,000万円     1.0%         20万円          200万円

 平成26年4月~平成29年12月  :  4,000万円     1.0%         40万円          400万円 

※一般の住宅とは、認定住宅以外の住宅をいいます。
※認定住宅についても拡充されています。
※平成26年4月から平成29年12月までの欄の金額は、一般の住宅対価の額又は費用の額に含まれる 消費税等の税率が8%又は10%である場合の金額であり、それ以外の場合における借入限度額は 2,000万円となります。

 

 

相続税編(主な改正案)

※死亡保険金の相続税非課税限度額の改正は見送られました※

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 相続税の最高税率等の見直し
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富裕層への課税強化として、相続税の最高税率が引き上げられる見通しです。

 【現 行】

  法定相続分に応じた各人の取得金額  税 率
  2億円超3億円以下の金額 40%
  3億円超の金額 50%



 【改正案】

  法定相続分に応じた各人の取得金額  税 率
  2億円超3億円以下の金額 45%
  3億円超の金額 50%
  6億円超 55%

※2015年(平成27年)1月以後の相続又は遺贈について適用されます。

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 相続税の基礎控除の縮小
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相続税の基礎控除が現行の4割に縮小される見通しです。

 【現 行】
 基礎控除 : 5,000万円 + ( 法定相続人の数 × 1,000万円 )

 【改正案】
 基礎控除 : 3,000万円 + ( 法定相続人の数 × 600万円 )

※2015年(平成27年)1月以後の相続又は遺贈について適用されます。

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 相続時精算課税制度の適用要件の緩和
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 【現 行】
 受贈者の範囲    : 20歳以上の推定相続人のみ(例:子、代襲相続した孫、養子)
 贈与者の年齢要件 : 65歳以上 

 【改正案】
 受贈者の範囲    : 20歳以上の推定相続人(例:子、代襲相続した孫、養子) + 孫
 贈与者の年齢要件 : 60歳以上 

※2015年(平成27年)1月以後の贈与について適用されます。

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 小規模宅地等の特例の緩和
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相続税の基礎控除の引下げにより、課税割合(年間課税件数/年間死亡者数)は概ね4%から6%に増加することが予想されています。 これにより増税の対象者は、地価が高い東京都など首都圏に集中する可能性が高いため、個人が居住用として利用している土地の評価軽減措置(特定居住用宅地等の特例)を更に軽減の方向に拡充する見通しです。

 <特定居住用宅地等の特例(小規模宅地等の特例)> 
 【現 行】
      限度面積        減額される割合
       240㎡            80%

 【改正案】
      限度面積        減額される割合
       330㎡           80%(不変)

※2015年(平成27年)1月以後の相続又は遺贈について適用されます。