Home>>【開業後に】経営>>異業種に学ぶ医院経営塾(1)
佐久間 洋
 
株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー エグゼクティブ・アドバイザー

異業種に学ぶ医院経営塾
(1)航空会社~患者の「真実の瞬間」とは?

自律的な人材を育てるためには

そんなカールソン氏の指針を実践した、こんな逸話が残されています。
ある政界の要人が乗り継ぎに少し遅れそうになったため、乗り継ぎ機の出発を遅らせるよう暗に要請してきたときのこと。その方は大変権力のある有名人で、これまでずっとその要請が当然のように受け入れられてきたのでしょう。しかし、SASの従業員は、その便を定時に離陸させました。
そして、その要人のために他社と交渉し、時間の合う別の便の席を用意しました。驚くべきことにその判断は上層部ではなく、現場スタッフのアイデアによるものだったのです! SASの従業員は、カールソン氏のリーダーシップのもとで、常に顧客優先の思考ができる自律的な人材に育っていたことのあらわれです。

余談ですが、カールソン氏が好んでする話に「石工の話」というものがあります。
2人の石工にいま、何をしているのかとある人が訊きます。一人は「見てのとおり、石を切っているのだ」と答えます。一方、もう一人は「大聖堂を建てているんだ」と誇らしげに答えました。・・・同じ石を切る作業でもこれほど異なります。
それは、ミッションや目的をもってやっているかどうかの違いであり、当然これに伴い、仕事の楽しさ、意義、何かあったときの判断も違ってくるでしょう。

 

クリニックにどう応用するか?

では、この考え方をクリニックに応用したらどうなるのでしょう。確認していただきたいのは、自院において"お客様が接触する場面"はどこかという発想です。患者さんは先生やクリニックのスタッフだけでなく、人的なモノ以外にも触れて、そのクリニックの良し悪しを判断していることを心に刻みましょう。

そこで、簡単にできる医院の「真実の瞬間」の認識方法をご紹介します。


以上の流れで現場のスタッフと一緒にリストを作ってください。そして、現状を確認し、対応策を作るという手順を行っていきます。
そのとき、特に②現状記入以降は現場のスタッフに任せてみるのもよいでしょう。項目の一つ一つが最良の品質になっているのかを○×で確認し、改善余地があれば改善策を作ります。改善策づくりに現場のスタッフが関わると、自ら策定した改善策であるからこそ、自発的に実行してくれる可能性が高まります。

【患者さんがクリニックで出会うモノ・コトのリスト例】 細かく具体的に書きましょう。


この方法は、クリニックで患者さんが接するすべてのモノ・コトを部品に分解してチェックしてみるというとても単純な方法です。これなら、現場スタッフと一緒にできます。
毎日のちょっとした気づきも起こりやすく、患者満足度をアップすることができるでしょう。その結果、現場スタッフの自主性の向上になるはずです。自律的な人材づくりのためにも、是非、一度試してみてはいかがでしょうか?


アドバイザー情報


株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー
佐久間 洋(サクマ ヒロシ)

(株)アール・エー・システムズ(現シスメックスRA(株))ソニー生命保険(株)を経て、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの事業拡大に参画。大阪支店の立ち上げに従事し、現在は同社の首都圏担当。セミナー活動も数多く行っており、医師協同組合向け医業経営セミナー、大手損害保険会社社員研修など多岐にわたる。
社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント(No.6466)。

アドバイザーに質問する・相談する