Home>>【開業前に】建築内装>>クリニック内装費削減のキホン(10)
高橋 邦光
株式会社リチェルカーレ 代表取締役

クリニック内装費削減のキホン
(10)内装費削減のための簡単チェックリスト

最重要課題「設計者選び」

これまで10回にわたり、「クリニック内装費削減のキホン」をお伝えしてきた。最終回の今回は、そのまとめを紹介する。

第一に、設計者を選ぶポイントとして大切な点をおさらいしよう。

 □ 医療設計の知識や経験が豊富かどうか
 □ 年間どのくらいのクリニックの設計を行っているか
 □ 今まで手掛けたクリニックを見学できるか
 □ 医院の診療科目の知識をどの程度持ち合わせているか
 □ 開業までの流れ・医療機器・各官公庁への申請などにも熟知しているか
 □ 開業に必要な周辺業者とのネットワークを持っているか

いくら設計の経験が豊富でも、医療設計の経験がない、少ないという企業ではコストダウンの方法や院内設計上の工夫についての提案を期待することができない。どんなにデザインが良さそうに見えても、飲食店やブティックではない。クリニックでは、ドクター・スタッフ・患者さんの動線がいかに効率よくなっているかが重要。医療設計の経験が少ない場合はより注意が必要だ。


また、これまでその企業が手がけてきたクリニックを見学させてもらうことで、部屋の広さや間取りを実際に体験することができるので、おすすめだ。どんなレベルの施工ができるのかを実感することもできるだろう。さらには、クリニックを引き渡したからの「アフターケアー」がどうなっているのか、ドクターとその企業が良好な関係が築けているのかどうかもチェックすることができる。

開業までには、設計関連以外にも様々な業者がかかわってくるもの。困ったとき、必要なときに紹介などをしてくれる体制があるかも大切だ。


コストダウンに直結する事前知識とは?

第二に、施工に入る前に知っておくといいポイントをおさらいしていこう。

 □ 必要な医療機器のサイズ、電気容量、LAN配線などを熟知しておく
 □ コストダウンのために既製品を活用する方法も選択肢に入れる

医療機器などの設備や備品は無視できない。見積では安い金額が提示されていたとしても、施工が進んでいった結果、追加工事金額が発生するなどのトラブルも起こりえる。追加工事金額を減額することは非常に難しいと言われている。

また、什器備品をオーダーメイド注文は非常に高価だ。たとえば、待合室はオーダーで作成し、院長のこだわりを表現するのはいいと思うが、その分、他の部屋はコストダウンを計りたい。既製品の書庫、ラック、棚を設置するのはどうだろうか。
什器備品は経営が安定してから製作をお願いするのでも遅くない。また、ドアや流し台なども既製品の活用でも十分だろう。

見積書はここを見る!

最後に、コストダウンにおいて重要な「見積書」の内容確認の要点をおさらいする。

施工を行う前の最初の段階で提出される「概算見積書」。この金額を鵜呑みにしてしまうのは危険だ。特に、初めから安めの金額を提示されているときは注意したい。打合せが進んでいつの間に何割も金額がアップした「正式見積書」を提示されるケースもあると聞く。それも、もう引き返せないという段階になってからだ。

このような最悪の事態を避けるには、まず「概算見積書」の段階から、見積書に含まれているもの、含まれていないものを確認しておくといいだろう。次のリストを参照してもよい。  

   
□ ブラインド □ 医療用カーテ □ 室名札 □ BGMスピーカー
□ 電気温水器 □ 自動水栓 □ サイン看板 □ 防災設備工事
□ 窓フィルム □ LAN配線 □ 呼出マイク    ・・・など


以上がコスト削減の基本であるが、同時に担当企業とのやりとりなどで不明な点が生じた際は遠慮なく質問をして、納得できる回答をもらうことが大切だ。その際に電話口などではなく、メールでやり取りをすることで発言の履歴が残るのでトラブルも回避でき、便利である。
 

 

アドバイザー情報


株式会社リチェルカーレ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。

アドバイザーに質問する・相談する