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高橋 邦光
株式会社リチェルカーレ 代表取締役

クリニック内装費削減のキホン
(9)コストダウンのために把握すべき3つのポイント

入居物件をきちんと把握してコスト削減

入居する物件によって内装工事費用は大きく変わってしまう。
その事実を知らないドクターも多いようだが、知らずにいれば損をしてしまう。テナントに入居して開業をする際は事前に現況がどうなっているかを十分把握をしよう。今回は、把握しておくべき3つのポイントを紹介したい。

一つ目が「テナントの仕様」だ。 テナントというと、大きく次の2つに分けられる。

●スケルトン
床や壁、天井もなく、コンクリートや鉄骨などがむき出しになっている。エアコンなどの設備も付いていないケースが多い。

●事務所仕様
塩ビタイルやタイルカーペットといった床、クロス貼もしくは塗装仕上げの壁、天井まで仕上がっている。すでにエアコン・換気扇・流し台・トイレなども付いているケースが多い。

次のどちらが、内装工事を安価でできるだろうか?

単純に考えると、「スケルトン」より「事務所仕様」のほうがすでに出来上がっている部分がある分、内装費用が軽減されるイメージが強いだろう。事実、比較的、事務所仕様の方がお得だと考える先生が圧倒的に多い。


クリニックだからこその落とし穴

しかし、クリニックの場合は要注意だ。
クリニックとして使うためには、事務所仕様でもエアコンや換気設備(参照:クリニック内装費削減のキホン(2)ここをチェック! 空調設備のコスト:http://medimedi.info/original269.html)や排水設備などの施工金額がかかってしまうからだ。

その他にも、事務所仕様の場合、金額として考慮に入れなければならない項目がさまざまある。

1.自動ドアがあるかどうか
新規で設置するなら約80万円程度かかる。
さらに、風除室を設けるなら倍以上の金額がかかってしまう。

2.床上げがあるかどうか
トイレや流し台のレイアウトの自由度が格段に良くなる。
ただし、㎡=¥7000程度かかってしまう。

3.院内や外にスロープを設けるかどうか
同時に、手摺やノンスリップタイルも必要になってしまう。

4.重量物(医療機器)設置に伴う補強をするかどうか
床・天井などに補強するかどうかでまた金額がかわる。

賃料や保証金でも差がつけられる

二つ目に把握してほしいのが、「賃料発生時期」である。

賃料が発生する時期といっても、「契約時」、「内装工事開始日」、「開業日」などの幅がある。このどれに該当するかによって、賃料は約3カ月分もの差が出てしまう。

三つ目は「保証金の額」について。保証金の額も賃料も交渉により変動することが多々ある。最初から決め込まず、交渉してみる価値はあるだろう。

できるだけコストを下げようと、内装費用を抑えるために色々なものを諦める必要はない。それよりも、賃料や保証金を同時進行で詰めていくのが賢いやり方だ。浮いた分を内装費用に回して、理想とするクリニックを目指してみてはいかがだろうか?

 

 

アドバイザー情報


株式会社リチェルカーレ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。

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