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佐久間 洋
 
株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー エグゼクティブ・アドバイザー

A医院vsB医院 成功するのはどっち?
(4)常にハイレベルな接遇を実現するロールプレイング手法

忙しいときでも、ベテランも新人も、常にハイレベルな対応にするために

 

同じ科目、同じ地区など、似た条件を持つ医院でも成功している医院とそうでない医院があります。その違いはどこにあるのか、全国津々浦々の医院を見てきた経験から、その違いを紹介する新連載です。第4回は「接遇」の事例をご紹介していきます。

先日、A小児科医院の奥様から、インフルエンザ対応で困惑しているというご相談を受けました。新型インフルエンザワクチンの接種開始日はいつなのか、予約はいつできるかなどの問い合わせから、季節性インフルエンザワクチンとの違いについてや、申し込み手続きに関する質問など、インフルエンザひとつにしても毎日何十件ものあらゆる電話問い合わせが入るそうです。
奥様は、「職員も疲れきっている。患者さんと感情的な会話をしていたり、ベテラン職員と新人職員での電話対応に大きな違いが生じたりしている」との悩まれていました。
そのままでは患者さんからクレームが出てきたり、スタッフ同士のコミュニケーションもうまくいかず、職場環境も悪くなってしまうと感じました。そこで、患者さんからの問い合わせの内容をマニュアル化して成功したB耳鼻咽喉科医院で採用された方法をA小児科医院にご紹介しました。
おかげで、問い合わせの対応をいつ誰がやっても、ハイレベルなものに保つことができるようになりました。


問い合わせのパターンを分類、ロールプレイングで練習

その方法は、以下のような手順で行います。
 


台本(スクリプト)はそっくりそのまま伝える文章でも、ポイントだけをチャートのように書いても構わないそうです。その医院に合わせて、使いやすい方法で作成することが大切です。
また、ペアを組んで読み合わせを行う際は、どんなことを伝えたいかを理解することが重要になります。患者役、受付役で分担し、実際に問い合わせのロールプレイング練習を行いましょう。受付役が台本(スクリプト)を参考にして、対応します。そして、交代して行います。


ロールプレイングのメリット

①パターン化することでスタッフが対応しやすい
一見、個々に異なる患者さんとの「対応」ですが、ある程度パターン化することにより、スタッフの対応への難易度は下がります。さらに、実践的なロールプレイング法による練習を行えば、本番でも慌てずに対応が可能です。

②スタッフのレベルを一定に保つことができる
スタッフにも対応が得意な人、苦手な人がいるものです。それを、あのスタッフは対応のセンスがいいからと「センス」という言葉で片付けてしまっては、そうでないスタッフはどうしたらいいのでしょうか。どうすればセンスが良くなるのかが不透明だと、対応の改善策にも取り組めません。そこで、センスがいいとされる、対応上手なスタッフの技術を、台本(スクリプト)化して、ロールプレイングで練習することで、対応の標準化をはかり、誰もが対応上手なスタッフと同レベルに近い仕事を実現することができるのです。

以上、4回にわたって成功するクリニックの紹介を行ってきました。自分の医院に合った方法があれば、ぜひ取り入れていただき、どんな結果が出たか教えていただけると幸いです。

 

 

アドバイザー情報


株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー
佐久間 洋(サクマ ヒロシ)

(株)アール・エー・システムズ(現シスメックスRA(株))ソニー生命保険(株)を経て、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの事業拡大に参画。大阪支店の立ち上げに従事し、現在は同社の首都圏担当。セミナー活動も数多く行っており、医師協同組合向け医業経営セミナー、大手損害保険会社社員研修など多岐にわたる。
社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント(No.6466)。

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