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歯科と医科の融合を目指して―
明確な開業目的と理念をスタッフが共有して
新しい医療形態を認知させた秘訣とは?

[2012.10.17]

「扇の要」となるクリニックを実現するためのスタッフ・医師の働き方

―スタッフの方も生き生きされていますよね。

うちの理念は、患者さんを総合的に診ていき、どんなことも相談できる場であることです。そして、患者さんにとっての「扇の要」であることを大切にしています。
具体的には、技術的に難しいときなどには他の病院を紹介しますが、そこで何かあっても必ず戻ってこられる、頼れるクリニックであることを目指しています。それがうちのイメージする「かかりつけ医」像です。
スタッフには扇の要でありたいという考えを繰り返し伝えていますので、伝わっていると思います。非常勤のドクターには、それぞれが専門医として誇りを持っていて、各自の輝き方というものがあります。その個性をつぶしてまで、うちのやり方をすり込むというのは違うと思っています。ただ、ジェネラリストではなくても、「扇の要」であることは不可欠と考えていますので、相互に長所を理解しながらやっています。

あとは、「求心力」を大切にしています。うちでは、年に一度は旅行をしたり、観劇したりします。運動会なんかもしました。大縄跳びをやった時は、最初は大縄跳びなんてやってられないよと思いますが、しばらくやっていくうちに熱くなってきて、練習では10回位だったのに、本番では100回近く飛べたりしました。(笑)スタッフが生き生きと働ける職場でありたいと思っています。

 

 

開業医に必要なのは「開業して何を目指すか」

 ―今後のビジョンは

今まではこの状況や立場でどのようにやっていこうかと間口を広くやってきましたので、本来の目指すべき医科・歯科の連携にもう少し腰を入れられればと思っています。医科・歯科それぞれが、それなりの力を持ってきたところで、すり合わせ、融合ができるようにしていきたいです。
現状では、どうしてもまだ医師と歯科医師との間にわずかな溝があると感じています。同じ人体を守るコワーカーとしては、医師にも歯科医師にもまだまだ課題があると感じています。融合がどれだけできるかはわかりませんが、隔たりなく医師と歯科医師が互いに何を学ばなければならないかを考えていきたいと思います。
たとえば歯科が行うインプラントではトラブルが多いと言われていますが、では全身疾患を持った方の治療時に医者側が適切なアドバイスができるかというと、あやしい部分があります。医師がインプラントのことをよく知らなければ適切な助言もできません。確たる根拠もなくアスピリンを処方していることが原因で手術ができないケースなども存在します。そういった情報については、内科や歯科の学会やスタディーグループで情報交換をしていきたいと思います。うちの歯科医師が医師と働くという環境下で、歯科単独で働く歯科医師と違う部分が具体的に見えてきたときは、そういった情報も発信していきたいですね。

―開業医に向けてのメッセージをお願いします

開業を考えるとき、開業地も大切なことだとは思いますが、「何故開業医になるのか」「開業医になってどんなことをしていきたいのか」を考えることが第一だと思います。開業医でなければできないこと、開業医だから見えることは沢山あると思います。大病院で100人患者さんがいる中で本当に大病院でないといけない患者さんは1人で、残りの99人は開業医で診ることができるとも言われます。つまり、公衆衛生的にも開業医が担っている機能はものすごく大きいということです。そこで健全なる誇りをもってやっていってほしいと思いますね。