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歯科と医科の融合を目指して―
明確な開業目的と理念をスタッフが共有して
新しい医療形態を認知させた秘訣とは?

[2012.10.17]

理想と現実とのギャップ 苦悩の日々

 ―そうやった思いで開業されたわけですが、いざ開業して困ったことはありましたか。

そうですね、やはりもともと歯科の患者さんしかいませんでしたので苦労しましたね。患者さんは、山下診療所は歯科だと思っていらっしゃる。その認識はなかなか変えられませんでした。
「石の上にも3年」という気持ちで頑張ってはいましたが、3年では到底無理でしたね。一人の患者さんの信頼を得ることができても、ある一定の人数の患者さんに理解してもらうまでは遠い道のりでした。集患のために「こんな外来はじめました」と掲示で打ち出しても、患者さんが全然来なかったり、試行錯誤の連続でした。努力を惜しめば患者さんは減っていくものです。
1ヶ月レセプト1枚から始まったので、木の葉の下をくぐる状態で、頑張って積み重ねて耐えてということを10年くらいは続けたと思います。

―どうやってそのつらい時期を乗り越えられてきたのですか。

うちの診療所は特別な技術をもっているとか、有名な病院とタイアップしているというわけではなかったので、患者さんの信頼を勝ち取ることを第一の目標としてやってきました。地道に泥のようやってきたつもりです(笑)「一体いつになったらこの不安感から脱出できるだろう」と常々思っていましたが、それが人生だと思っていたので、頑張れたと思います。
また、私の場合は、参禅会に参加して座禅を組むことで気持ちが調ったと思います。功利的にうまく名声を得ている人たちがいる中で、「どうして自分は…」と思うこともありましたが、座禅を組み、その後の提唱を聞くことでゆらいだ気持ちが原点に戻されるように感じました。常に人間は、我欲、エゴとの戦いなんです。ですが、それを取り除いた空間では、揺らいだ自分の心がすっと戻るんですね。

 

 

低価格でも効果を感じた「ホームページ」での情報発信

 ―あえて効果があったものがあるとしたら、それはなんですか。

効果ですか(笑)そうですね、ほんとに試行錯誤ですが、あえて言うなら、ネットの時代になってからはずいぶん潮目が変わってきたと思っています。効果を感じたのは、ホームページにたくさんの情報を載せることです。無駄なお金を使いたくなかったので、大量のお金を払って電話帳に載せたり、電柱にたくさん出したりというより、ホームページの中身を充実させることを重視しました。余計なお金を使わずに医院の情報やメッセージを伝えることができるので、いい方法だと感じています。
特に、見た目を重視させてることよりも、中身を重視して、いかに医院の想いを伝えていくかが重要だと思っています。そこにエネルギーを注ぐことが大切です。医師会に入ったときに先輩から「どんな宣伝よりも口コミが大切だ」といわれたことを覚えていますが、それも本当だったと感じています。