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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

患者を引き付ける院内設計のポイント
(2)クリニックの入りやすさを左右する「エントランス」

クリニックは「外見」で判断される

エントランスとは入口や玄関を指す用語である。クリニックにおいては第一印象を植え付ける「顔」ともいえる部分だ。特殊な診療科目であれば、患者さん自身がインターネットや媒体で情報を収集するのが当たり前な時代だが、一般的な診療科目であれば、居住地付近か勤務先近辺でクリニックを探すケースが多いようだ。

そのため、患者さんがクリニックを判断する基準として多いのが「外見」である。主に、次の3つのポイントで判断していることが推察される。

●明るい雰囲気で入りやすそう

●診療内容が詳しく書いてありわかりやすい

●入口廻りの掃除が常に行き届いている


外見・外観は非常に重要な要素。
これらのポイントを意識したエントランスにするとよいだろう。

 

風除室の有無で居心地に大きな差


加えて、いざクリニックの門をくぐる際にも細かい配慮が必要である。それが「風除室」の設置だ。

最近のクリニックでは、高齢の患者さんやお子様連れの患者さんの出入りに配慮するため、エントランスに自動ドアを設置するのが当たり前になってきた。さらに1Fなどで入口に入ってすぐにもう1ヶ所自動ドアを設けて風除室を設置するケースも多い。これは、気圧の関係で、入口が開閉するたびに外気が中に入ってしまうのを防ぐための配慮である。

夏・冬の冷暖房効果が高くなるのはもちろんであるが、体調のすぐれない患者さんが待合室で待っているときに急激な暑さ寒さの変化を体感させないための工夫と言えよう。特に風が強い臨海地域やビルが多く立ち並ぶエリア、冬の気温が低いエリアは、スペースの余裕があれば風除室の設置を検討していただきたい。

これらのエリアでは風除室の有・無での差が大きく、待合室での居心地が格段に変わってくる。患者さんの目線に立った院内設計の重要なポイントだ。

テナント、戸建て、それぞれのポイントは?

テナント開業の場合は、エントランスに自動ドアが設置されていないケースも見受けられる。この場合、大家さんの許可を得て自動ドアを設置するクリニックも多い。金額は自動ドアの仕様(片引き・両引き・2連式等)や大きさにより異なるが、70-100万円ほど。新規開業の際には、自動ドア導入も検討するべきであろう。

戸建ての場合には、自動ドアはもちろんのこと、エントランスに雨除けの庇(ひさし)やテントを設置するクリニックも多い。特に車で移動することの多い地域では、車寄せを設けて、患者さんが車から降りて雨に濡れずにすぐにクリニックに出入りできるようにすることも、患者さんの視点に立った院内設計の重要なポイントである。

クリニックの顔である「エントランス」。ここで、いかに入りやすさを演出できるかが、増患対策に関わってくるのである。

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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