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佐久間 洋
 
株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー エグゼクティブ・アドバイザー

医業経営コンサルが教えるドクターのための節税講座
(4)青色申告制度の徹底活用法

しっかりと活用すれば経営にメリットがある

開業医の先生方なら、青色申告制度を『利用』している方も多いでしょう。しかし、きちんと『活用』はできていますか? 活用にふさわしい提案ができている税理士は少ないようです。
今回は、専従者給与(同一生計の家族従業員へ支払う給料)の増額を考えている開業医はもちろん、これから開業を予定しているドクターの皆さんも必見の「青色申告制度」の徹底活用法をご紹介します。

青色申告制度とは?
一定の帳簿を備えることで有利な申告ができる制度。青色申告特別控除、青色事業専従者給与、貸倒引当金、純損出の繰越と繰戻しなどさまざまなメリットがあります。

なかでも今回は「青色事業専従者給与」について解説していきます。


奥様など家族とともに働く場合に活用

顧問税理士を抱えるドクターならもれなく青色申告を行っているでしょう。ただし、青色申告をしてさえいればいいというのではありません。どのように使っているかが問題です。特にご家族とともに働くドクターにとっては『青色事業専従者給与』について正しい知識を身につけることが重要となります。

青色事業専従者給与とは?
『青色申告者と生計を一つにしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。』(国税庁ホームページ)

 


開業後に院長の奥様がクリニック運営に携わる例で見ていきましょう。奥様への給与金額が適正ならば経費として処理することが可能です。所得を先生一人ではなく、奥様に分けることで家計全体の税率が下がる方法があります。


●申告所得2,000万円の先生の所得税
(20,000,000×40%)-2,796,000=5,204,000円

●所得2,000万円を先生:1,500万円と奥様:500万円に分ける
先生の所得税 (15,000,000×33%)-1,536,000=3,414,000円
奥様の所得税 (5,000,000×20%)-427,500=572,500円
家計全体の所得税 3,414,000+572,500=3,986,500円
所得を分けたおかげで、家計全体で1,217,500円の所得税減額が可能となりました。


家族にできるだけ多くの給与を支払うテクニック

所得税率が低い方に多くの給与を支払うことで家計全体の手取りが増えます。しかし、いくら支払ってもよいのではありません。税理士ごとに見解が異なりますが、一般な適性金額は300万円~500万円ぐらいです。
少しでも多く家族に支払うよう工夫が必要になります。そこでおすすめなのが、「専門資格の取得」です。

資格取得者とそうでない方とでは、当然のように給与が異なります。青色専従者であるご家族でもそうです。ご家族が看護師や薬剤師などの資格があれば当然300~500万円より多い専従者給与でも適正と判断されるのです。

ただし、これから看護師や薬剤師の資格を取得するのは厳しいという方も多いでしょう。医院経営に有用な資格はそれだけではありません。例えば、簿記、医療事務、防火管理責任者などの資格を開業前に取得すると、専従者給与が多く取れる確率があがります。ぜひご検討してみてください。

 

アドバイザー情報


株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー
佐久間 洋(サクマ ヒロシ)

(株)アール・エー・システムズ(現シスメックスRA(株))ソニー生命保険(株)を経て、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの事業拡大に参画。大阪支店の立ち上げに従事し、現在は同社の首都圏担当。セミナー活動も数多く行っており、医師協同組合向け医業経営セミナー、大手損害保険会社社員研修など多岐にわたる。
社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント(No.6466)。

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