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「患者さんの大切なもの」を守るために。

[2012.07.27]

日馬幹弘(くさまみきひろ)先生プロフィール
約25年にわたる東京医科大学外科学勤務、早稲田大学非常勤講師などの経験を経て、2006年2月に新宿ブレストセンタークサマクリニックを開院。JR新宿駅から徒歩6分という都心部でありながら落ち着いた雰囲気の医院は、口コミを中心に来院患者が絶えない。乳がん治療のパイオニアとして多数の書籍と200を超える医学論文を残し、現在も年2回の学会報告と年1回の論文発表をするなど勉強には余念はない。そんな日馬院長に開業から現在に至るまでの医院経営、乳腺外科医としての診療に対する熱き想いを伺った。

 

 

本当に患者のためになる理想的な診療を志し、開業を決意

―開業のきっかけは何でしたか?

東京医科大学で勤務医の時代からずっと「自分のやりたい診療がしたい」と思っていました。その診療とは「体に負担の少ない乳がんの治療」です。その診療を実現するため、ラジオ波焼灼術の効果と安全性の確認がとれてきた1年後に開業しました。

―そのような手術は他の医院では行われていなかったのでしょうか?

いくつかの大学やがんセンターで実験的に実施していることはありましたが、クリニックとして手術に取り組んでいる医院はほとんど無かったと思います。
開業時の物件は自分で探しました。 条件はふたつ。ひとつは、手術室がつくれるよう、50坪以上であること。そしてもうひとつは、東京医大の患者さんがそのまま来院いただけると思ったので、東京医科大学に近いところ、新宿駅から近いところ。そして、現在の場所を見つけました。

―開業時に思い描いていたことなどはありましたか?

医院のコンセプトとして、もともと「働く女性が来院しやすいクリニック」にしたいという考えがありました。これは東京医科大学に勤務していたときに思ったのですが、よく「健康診断に行かない人が多い」、「日本は健診の受診率が悪い」などと言われているでしょう。でも、その問題を作っているのは、働いている人が健康診断にいけるような医療機関がほとんどないというところにあると思います。受け皿を作っていないのに、「来ない、来ない」と言っていたのです。

 

―わかります。私も働く女性として、検査に行く機会がなかなか見つけにくいと感じています。

そうですよね。あと、もうひとつ問題があって…。患者さんは乳がんの治療をすると、抗がん剤などを打つために会社を休まなくてはいけないのです。今でこそ、理解されるようになったかもしれませんが、一昔前であれば、休んだらクビになってしまうケースも多かったのです。そうすると、ますます負担になるでしょう。お金もかかります。そんな中で「何故土日に乳がんの治療ができるところが無いんだ」と思っていましたので、自分が開業するならそういう治療ができるところにしようと決めていました。

―患者としては、すごくありがたいですね。周りの方も注目されていたのではないでしょうか?

そうですね、当初は「うまくいかないのではないか」と言われていました(笑)。乳がん専門医として乳がんだけで診察を行う医院が当時は少なく、あくまでも外科の中のひとつとして診療にあたる医院が多かったので。そのため、当初は内科も整形外科も対応できるように、ギブスまで用意してやっていましたね。