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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

クリニック内装費削減のキホン
(1)どのぐらい? 電気設備工事の値段

電気設備工事が高くなる理由

クリニックの電気設備工事は百万円単位の金額がかかってしまうものだ。スイッチ、コンセントなら単価は数百円、照明器具なら高くても5万円ぐらいであるにもかかわらず、これほどの負担が生じてしまう。それには、どんな理由があるだろうか。

クリニックの内装についてきちんと内訳を理解し、どの部分でどれぐらいかかるのか、理解しておく姿勢を「内装費削減のキホン」で身につけていただきたい。

【理由① 電気のメーターや分電盤の設置費用がかかる】
入居するテナントで工事金額が大きく変わるが、新築ビルの場合、電気のメーターや分電盤が付いていないと、設置費用を入居者であるドクターが負担しなくてはいけない。

(例)電灯・動力メーター・分電盤と中のブレーカー代:総額30-40万円

【理由② ブレーカー容量の変更費用がかかる】
分電盤が付いていても容量が足りない場合はドクター負担になる。

(例)通常、屋上に設置されているケースが多いキュービクル(金属製の大きな変電設備)のブレーカー容量を大きなものに交換。テナントまでの幹線を太いものに引きなおす費用:約25-40万円

このように、入居予定の建物状況で内装工事の金額が異なる。入居前に専門家に確認してもらうほうが賢明だろう。


場所別 照明機器の選定の重要性

新規開設のクリニックではオシャレな雰囲気を演出するためにどんな照明器具を選ぶかが重要である。あまり関係のない場所にまでお金をかけすぎているクリニックも見受けられるが、特に力をかけたいポイントは「受付」「待合室」だ。

【受付・待合室】
クリニックで最初に目に飛び込んでくる場所である「受付」と「待合室」。第一印象となるその場所があまりに殺風景であったり、寒々しい雰囲気だと、ただでさえ、病気を抱えていたり、その可能性がある中訪れている患者さんは余計に気分が重くなってしまう。

不安感を和らげるためにも、明るめの壁紙、やわらかい照明を心がけて設計しよう。私は待合室や廊下にダウンライトを設置するようにアドバイスをしている。ダウンライトは1個4000円程度。これを30-40個ほど設置するとよいだろう。ランプの色を電球色にすれば、柔らかいイメージを演出できる。

【診察室・処置室】
診察室や処置室に入れば、ドクターと患者さんの1対1のやり取り。華美な装飾はあまり意味をなさず、診察に必要な照度を確保することが最大の目的となる。蛍光灯の器具にもランクがあり、一台あたり15,000円から35,000円まで金額の開きがあるが、特にこだわりがなければ、一番安い蛍光灯の器具(*逆富士型)で問題ないだろう。

埋込型や小型で照度が確保できるものなどもあるが、設置費用や器具代などコストがかさんでしまう。カタログをもとに設計士と相談して、どこにこだわるか話し合い、決めていこう。

 

LAN配線

次に必ず確認してもらいたいのが「LAN配線の有無」です。院長室でインターネットをつなげたいという要望であればそんなにコストはかかりませんが、問題は「電子カルテ用のLAN配線」だ。

最近ではほとんどの開業医が電子カルテを導入している。内装工事側で配管してあれば電子カルテの業者や電話業者でも配線はできるが、サーバーを置く受付や倉庫などから各部屋に放射状にLAN配管・配線を行い、差し込みジャックを設けるとなると話は別。規模にもよるが30-50万円ほどの金額がかかってしまう。
前もって内装工事で導入するか、別業者で導入するかを確認しておこう。

 

 

追加工事に気をつけて

その他、下記も確認しておいたほうが良い項目である。

□BGM用スピーカーの有無
□ナースコール(トイレからの非常呼出)
□呼出マイクの有無(診察室から待合室)
□トイレの人感センサー(トイレに入ると自動で電気がつく。節電対策に有効)


クリニックの内装工事は実際に見積書をみてもわからない事柄が多くあると思う。だからといって妥協せず、納得ができるまで設計士や内装工事業者に聞いて内容を理解するように心がけよう。特に別途工事になるものは確認を怠らないように。追加工事として計上されて驚くということにもなりかねない。

 

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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