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佐久間 洋
 
株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー エグゼクティブ・アドバイザー

医業経営コンサルが教えるドクターのための節税講座
(1)個人型確定拠出年金と小規模企業共済

医院経営のコスト削減術のひとつとして忘れてはならない「節税対策」。
その方法も多岐に渡ります。そこで、医療・介護・福祉などの経営について現状分析・支援・顧問活動などの業務を行う専門家である「医業経営コンサルタント」の立場から、数回にわたって節税対策にクローズアップした連載を書かせていただきます。

第一回目の今回は、どんな医師でも簡単に節税ができ、しかも貯金にまでなるという一挙両得な『個人型確定拠出年金』『小規模企業共済』について紹介していきます。

 

個人型確定拠出年金とは



【定義】
公的年金の一部で、将来の老後資金不足を補うための自助努力の制度のこと。他の年金保険料同様に所得控除の対象となります。退職時に向けて資産形成ができ、節税もできる制度です。

【加入対象者】
国民年金の第一号被保険者と第二号被保険者。共済加入者と第三号被保険者(いわゆるサラリーマンの配偶者)は加入できません。また、国民年金基金に加入されている場合は、確定拠出年金との選択になります。

【特徴】
【1】 掛け金は全額所得控除の対象となる。
【2】 60歳から給付を受けられる。一時金でも分割でも可能。一時金の場合は退職所得扱い、分割の場合は公的年金控除が受けられる。
【3】 転職や開業、法人化しても原則として継続可能。
【4】 運用商品は自分で決めることができる。
【5】 加入限度額は、国民年金の第一号被保険者の場合は68,000円、第二号被保険者は23,000円。



小規模企業共済とは?

【定義】
独立行政法人中小企業基盤整備機構が小規模共済法に基づいて運営。

【加入対象者】
加入できるのは、小規模企業の経営者や個人事業主です。ただし、医療法人の理事は加入できませんので注意が必要です。

【特徴】
【1】 掛金(上限70,000円/月)は全額所得控除になる。
【2】 廃業時・退職時に、共済金を受取ることができる。受取り方は一括、分割、併用の選択が可能。一括の場合は退職所得扱い、分割の場合は公的年金控除が受けられる。
【3】 事業資金等の貸付制度が利用できる。


具体例を見てみよう

両制度とも、『将来に向けての資産形成のための積立が所得控除になる』、というのが大きな特徴です。

①課税所得が1500万円のドクターの場合の所得税
1500万円×33%-153万6千円=3,414,000円

②課税所得が1500万円のドクターが確定拠出年金で68,000円
(月額)に加入した場合(年間の確定拠出年金が81.6万円)

(1500万円-81.6万円)×33%-153.6万円=3,144,720円

上記の①と②比較すると所得税だけでも年間に269,280円の節税になります。

さらに住民税は10%なので、816,000円×10%=81,600円の節税効果があり、所得税・住民税合計で年間350,880円の節税になります。仮に20年間継続したとすると700万円余りの節税になります。

まだこのような制度を利用していないドクターは是非利用を検討されてはいかがでしょうか。

 

 

アドバイザー情報


株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー
佐久間 洋(サクマ ヒロシ)

(株)アール・エー・システムズ(現シスメックスRA(株))ソニー生命保険(株)を経て、株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーの事業拡大に参画。大阪支店の立ち上げに従事し、現在は同社の首都圏担当。セミナー活動も数多く行っており、医師協同組合向け医業経営セミナー、大手損害保険会社社員研修など多岐にわたる。
社団法人日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント(No.6466)。

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