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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

先を見据えた計画が必要
医院内装・建築のコスト削減テクニック


今回のコラムでは、建築・内装の観点から見るコスト削減方法について弊社の営業企画部長 岡本裕介よりそのポイントと手段を紹介する。
 



岡本 裕介プロフィール

株式会社リチェルカーレ 営業企画部長。英国ノーザンブリア大学 ビジネス学部卒業。
関東エリア統括責任者としてこれまでに様々なドクターの建築・内装設計に携わる。


 

 


昨今の一般無床診療所開業件数は、新規開業件数としては大きな変化はないものの、全国の一般無床診療所としての件数は年々増加している。
当然競合先が年々増加傾向にあれば、各病院・クリニックは患者数の減少に悩まされ、『コスト削減』というひとつの結論に達することは容易に考えられることである。
一言に『コスト削減』と言っても多種多様な方法があるが、ここでは後の対応が難しい建築・内装コスト削減のテクニックについてのアドバイスを行う。

 

建築・内装コスト削減における注意点 

建築・内装のコスト削減を検討する際に注意が必要なのは、コスト削減に注力するあまり、使いにくいものにならないようにすることが重要である。 手洗器をひとつ削減することによってコストは削減できるだろうが、それによってのロスを専門家も含めてよく相談した方が良い。

もうひとつの注意点は、特に新規開業の際は将来的なことも見据えて相談すること。
患者数の増加に伴い、医療機器の新規導入、処置ベッドの増床など要因は様々だが、改修工事を行うにあたって休診することはできるだけ避けたいところである。ある程度想定しておけば、機器の購入・搬入や処置ベッドのレイアウト変更のみで対応可能な場合も考えられる。
先に記述したように後の対応が難しいということがこういったところで表面化されることになるので注意したい。 

そのような反面、将来的なことを見据え過ぎて初期コストが膨れ上がるといったことにもなるので、必ず専門家を交えて相談・検討することをおすすめする。


開業後のコスト削減

開業後のコスト削減については、そのような要因も含めて非常に難しい一面を持つため、一時的にかかる費用(改修費用)よりはランニングコストの削減を検討するように心がけたい。近年話題の省エネ設備(LED照明や太陽光発電など)を導入し削減を図るのもひとつの手段と言える。 

また、ここ数年の技術発達もあり、既存空調機の入替を行うだけで電気料金を抑えることも可能である。全面改修を検討する場合は、既存物件の調査などに時間がかかるため、早めに専門家との打合せを行うことをおすすめする。
全面改修ともなると、工事を進めてみないとわからない部分が多く、調査の時間や打合せが不十分なまま着工すると後日追加工事として多額の見積書が出てくることになりかねない。 それだけでなく、当初予定していた工期で終わることができず、休診明けの日程までも延期せざるを得ないというクリニックにとっては大変厳しい状況に追い込まれることも懸念される。

スケジュール的な問題としては、ゴールデンウィークやお盆休み期間を利用することが多いが連休期間中は材料の追加納入が厳しいため、こういった点からも十分な準備が必要であると言える。

 

新規開業時におけるコスト削減

新規開業の際に初期コストとして大部分を占める建築・内装だが、同様のプランであってもコストを抑えることが可能なこともある。 
特に物件の条件によってコストが左右される場合があるので、コスト削減のため事前に確認すべき項目を2つ挙げる。

①引渡し条件をよく確認
テナント開業においては、テナントの引渡し条件などをよく確認しておきたい。 床・壁・天井の有無、状態などもあるが、そのあたりはいろんな条件も加味しないと判断できないので専門家と相談することが最善である。
わかりやすい条件としては、室外機置場の確保である。各室が細かく間仕切られるクリニックなどでは、全体面積に対しての空調機の割合がどうしても多くなってしまう。 入居予定の区画に近く、たくさん室外機が置けるスペースがあればかなりのコスト削減が期待できる。反対に遠く、小スペースしか取れないのであれば導入できる機器に制限が出てしまい、コストがかさむことになる。

②B工事があるかどうかを確認
大型物件になればB工事と言われる工事が発生することが多くあるので注意したい。B工事とはビル側指定業者が行う工事で費用負担は施主(ドクター)となる工事のことを言う。
当然、そのテナントに入居する際には必然的にB工事を行う必要があるため、通常工事よりも大きく上回る金額を提示されることが多い。このB工事に該当する工事としては、防災工事が多いが空調工事や一部電気工事などもビル全体に関わる際には該当する。

クリニックの建築・内装のコストは、新規でも開業後でも目立った支出となるため、よく検討することは言うまでもないが、クリニックの経営方針や運用方法などもふまえて専門家と密に相談・打合せを行うことがコスト削減への近道と考えるべきかもしれない。

 

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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