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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術
(6)見落としがちな換気設備の注意点

換気はどうして重要なのか?

クリニックには不特定多数の人間の出入りがある。薬品などさまざまな臭いが発生する場所でもある。そこで、換気はとても大切な問題のひとつだ。

一番効果的な対策は「窓を開けること」。ただし、部屋によっては窓に面していなかったり、高層階で窓を開けると危険な場合などもあるだろう。状況に応じて換気設備を充実させなくてはいけない。

しかし、特に古い診療所だと、換気計画の必要性をさほど感じていない場合が多いようだ。診療所のリニューアル時には各部屋に設置する計画を立てることが望ましいだろう。今回はそのポイントについて紹介していく。


事前に知っておきたい換気扇設置のポイント

換気扇の設置にもさまざまなポイントがある。リニューアルを検討しているならば、下記のことを事前に知っておき、自分の診療所ではどのようにできるのか検討しておくとよいだろう。

ポイント① 給排気のバランスを考えよう
換気扇の設置だけでは室内の空気を外部に排出しているに過ぎない。しっかりとした給排気計算に基づいて、外部の新鮮な空気を取り入れる「給気口」を設けておくこと。給排気のバランスを取らないと、排気だけが強すぎてドアが開きにくくなったり、診療所の入口ドアが開いた瞬間に外気がどっと流れ込むなどといった問題が生じることがあるので注意したい。

ポイント② 違和感のない換気扇の設置を
特に古い建物の場合は、天井と2Fスラブのスペースがほとんどなかったり、梁が多く、その梁にスリーブ(配管を通す穴)がないなどの問題が起こりうる。壁面上部や梁型に沿って給気ダクト管や排気ダクト管を設置して、囲いを作り、塗装や壁紙を貼れば違和感がなく仕上げられるだろう。

その他、リニューアルにおいて最近多いケースを部屋ごとに紹介する。

Ⅰ.内視鏡治療を行う部屋
下部内視鏡(大腸内視鏡)の治療を行う際に臭いが発生する場合が多い。余裕をもった換気設備の導入をしたいものだ。

Ⅱ.リハビリ室
多くの患者さんやスタッフがいるリハビリ室は臭いがこもりやすい。事前に換気計画をしっかりとする必要がある。

Ⅲ.小児科の隔離室
他の患者さんへの感染を最小限に抑える目的で換気設備の充実が求められる。

 

患者へのアピールにもなる「空気清浄機」の設置

最後に、原則として換気扇は各部屋に給気口と換気扇があるのがよいとされている。各部屋で発生する臭いなどは各部屋で処理をする。他の部屋への影響が少なくなるのでおすすめだ。

また、換気扇以外に「空気清浄機」を設置するクリニックも増加中だ。予算に余裕があれば、業務用の強力な空気清浄機を導入してはどうだろう。脱臭効果も高く、クリニックの姿勢が伝わり、患者さんへのアピールにもなるに違いない。

 

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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