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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術
(5)エアコン導入前に知るべき3つのポイント

老朽化により、壊れる可能性もある

物件のリニューアルで忘れてはならないことは、間仕切壁の位置変更により、エアコンの位置変更が起こりうるということだ。
リニューアルに際しては、エアコン移設時にもともとあるエアコンが壊れてしまうことがある。長年続く診療所の場合、エアコンは古くなっており、これまではかろうじて動いていたが、移設の衝撃で故障してしまうのだ。

メーカーにより異なるが、製造10年以降は部品の在庫がないことが多く、修理ができない。新たに購入する費用を計画しておかねばならない。


導入すべきエアコンのタイプは?

また、間取り変更でエアコンを追加するケースもあるだろう。そのときは、事前調査が不可欠だ。部屋の大きさに合わせた容量のエアコンを設置しなくてはいけない。冷房を運転する際には、エアコン本体から水を排出するので、排水配管が必要だ。そのあたりも踏まえて、エアコンの二つのタイプを知り、どちらがいいか検討してほしい。

1.天井埋込型
効率的かつ均等に暖房・冷房効果が出るため、大きな部屋に最適。
ただし、天井内のスペースが狭すぎると設置できないことがある。 冷媒配管(室外機への配管)と排水配管の天井内でのルートの確保が必要となる。

2.壁掛式もしくは自立式
天井埋込型と比較すると、場所による体感温度差が生じやすい。
1と同様に配管は必要。なおかつ、設置可能位置を図面作成時に検討しなくてはいけない。

 

エアコンが効きにくい理由は?

また、猛暑の夏は「エアコンが効きにくい」という声が聞かれる。効きにくい理由としては次の通りだ。

1.部屋の環境の影響
窓の大きさや、西日が直接入りこむ場所などによっては、太陽の光を受けやすいため、エアコンが効きにくくなってしまう。

2.室外機の設置場所や条件
冷房効率が極端に下がると考えられるのは、「熱のこもりやすい場所」、「温度が上がる場所」、 「室外機が密集している場所」が挙げられる。

これら、条件の悪い場所では「エアコンをサイズアップする」か、「事前に条件の良い設置場所を検討しておく」といずれかの対策を組むとよいだろう。

 

導入費用、高くなる? 安くなる?

気になる「導入コスト」。高くなるケースと安く済むケースがあるので知っておこう。

1.高くなるケース
室外機の設置場所が限られており、複数台置けないケース。「ビルマルチエアコン」というシステム(1台の室外機で多数の室内機を動かすことができる。各エアコンでON・OFFや温度調整ができるシステム)を導入することになる。一般的なクリニックなら、このシステムを導入するとエアコンだけで300万円近くの出費に。導入するなら、事前に予算に織り込んでおこう。

2.安くなるケース
室外機を置くスペースが十分にあり、室外機1台に対して室内機1台、2台という構成で組めるケース。室外機は5-6台設置する必要があるが、コストは安くなる。

以上、エアコンひとつとっても、仕様、設置場所、価格などさまざまなケースが考えられる。事前に丁寧に検討し、自分の医院に合った形態を選びたいものだ。

 

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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