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幸崎 時和
 
株式会社福山臨床検査センター

開業前から考える 検体検査は機器購入か委託か
(1)検査機器購入のメリット、デメリット

病院での検査と、クリニックでの検査の違い

病院の検査とクリニックで行える検査では違いがあります。どのようなところが違うのかみてきましょう。

①検査結果が出るまでのスピードと検査の種類
大学病院や基幹病院などでは、検査室が院内にあるため検査結果がその場で判定でき患者への説明及び治療にすぐに役立てることができます。
しかし、開業されますと、検体検査を外部委託されることが大多数となり、その場ですぐに検査結果を確認することができません。

また、開業時に大学病院の機能までとはいえないが、検査をすぐ知るために検査機器の購入を検討される先生方もいらっしゃると思います(事項『検査機器の購入について』参照)が、院内で実施できる検体検査は少なく、大学病院での検査スタイルのままというわけにはいきません。

②患者のニーズ
病院では高い検査を実施しても患者からクレームを受けることは少ない(実際には医師までその情報がこない)ですが、クリニックになると窓口負担を気にされる患者も多いのが現状であり必要な検査が十分に行えず診療に障害をきたすこともございます。 反面、検査を希望される患者もいるため検査をしてもらえないことによる不満も発生することもあるなど、相反する考えの患者がいるために悩んでしまうこともございます。

電子カルテの普及により、診察室で有る程度の窓口負担も計算できるメーカーもありますので必要な検査の意義と負担額をしっかり患者と話をした上で検査をされることをおすすめいたします。

 

検査機器の購入について


一般的に内科医であれば、生化学自動分析装置(AST,ALTなど測定)、自動血球計測装置(白血球など測定)、などを導入される先生もいらっしゃいます。糖尿病専門医であればHbA1c、循環器や脳神経外科ではPTの測定機器なども購入候補となってくるでしょう。
最近は機械も小型化され導入費用も割と安価になっており、さらにPOCT製品も豊富になってきていますが、購入される前に今一度本当に必要かどうか考えてみてください。

実際、開業後に院内検査のランニングコストが負担になり使用しなくなったり、検査スタッフの負担が大きかったり、検体数が少なく不良在庫をかかえるなどを見かけることがございます。
また、患者の満足度も考慮する必要があります。病院では診察待ちができてもクリニックで待たされるとイメージが悪くなる方もいらっしゃいます。しかしその反面、その場で結果が判明することが患者へのサービスとなり増患が見込めるケースもございます。

このように記載しますと、機器導入をどうしたら良いか難しいかもしれませんが、先生が開業される上で何が大切で生命線なのかをしっかり見据えた上で院内機器導入の有無及び選定をされればと思います。
開業当初は最低必要現に抑え患者の動向を加味しながら機器を導入するほうがベストかもしれません。

 

院内検査の導入メリット

・その場で結果判定でき診療に役立つ
・外来迅速検体検査加算が算定できる(算定ルールがあります)
・患者サービスの一環      など


院内検査の導入デメリット

・導入コスト、ランニングコスト、保守料など
・測定する手間(ほとんどが看護師が実施)
・精度保障      など

 

 

検査技師の採用について

ここ近年、クリニックでも臨床検査技師を採用するケースが増えてきています。 臨床検査技師がいれば超音波検査、心電図検査、内視鏡検査補助、MRIなどの生理検査を医師の指示の下に行うことができます。
また採血業務も可能ですので、検査技師を雇用すれば採血から検査まで看護師以上のスキルで業務をこなすことが可能となり先生の良きアシスタントになるのではないでしょうか。
循環器クリニックでは、頸動脈エコーを検査技師が検査して結果説明を医師が行うことによりエコーの数を増やすことができ増収にもつながります。
また看護師よりも単価が低いため人件費を若干抑えることができます。(地域にもよりますが・・・。)

採用のポイントですが、検査技師といってもさまざまな認定試験がございます。
例えば、一級臨床検査士、細胞検査士、超音波検査士、糖尿病栄養指導士などです。 採用するにあたり、先生が行う診療にあった認定資格を取得しているかは大切です。 (認定資格がなくても優秀な技師もいらっしゃいます。)
検査技師がいれば、上記の項でふれました院内機器導入もしやすくなるでしょう。

次回は検体検査を外部に委託する場合の検査センターを選ぶポイントを紹介します。


 

アドバイザー情報

株式会社福山臨床検査センター
幸崎 時和(コウザキ トキカズ)

瀬戸内海の島出身。同社に入社以来愛媛でキャリアを重ね、現在は関東を任されシェア拡大中。
『正確』『迅速』『研究』を企業理念とし、開業される先生のご要望に沿った提案をしております。 人との繋がりを重んじ、『心』で対話できる関係作りを心掛け、これまでに多数の医療機関に携わってまいりました。
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