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矢野 厚登
税理士法人ブレインパートナー 代表

一からの医院承継
(1)最初に押さえるべきは時期と手段

ニーズの高まる医院承継

厚生労働省によると、全国の開業医数は約7万人。70歳以上の開業医は全体の20%以上を占めており、今後も院長の高齢化は、より一層進むと考えられています。

これまでは院長の引退イコール医院の閉院というパターンがほとんどでした。しかし、昨今の社会・経済の変化や消費税の増税案、診療報酬の改定など医療業界にとっても厳しい経営環境となって来ている中で他人への承継、つまり第三者承継のニーズがとても高まっています。

これは新規開業をお考えのドクターにとっても、医院承継は一般の新規開業に比べて低コストで開業でき、加えて既存患者を引き継げるので立ち上がりが早く、運転資金も少なくて済むというメリットもあって、非常に期待の大きな選択肢のひとつとなってきています。


承継の様々なパターン

いまや、開業を考える際に必ず選択肢の一つに入ってくる医院承継ですが、避けては通れない様々な問題もあります。特に親子間での承継の場合は、院長である父親と、引き継ぐ子(医師)との意思疎通が大変重要で、いくら仲の良い親子であっても、お互いの診療方針の違いから壮絶な親子ゲンカになってしまうケースも珍しくはありません。
他人はもちろん、たとえ親子であっても、スムーズに承継手続きを進めるためには事前に考えておかなければならないことが幾つかあります。

なによりもまず考えておきたいことは、承継の時期手段の決定です。

【 時期 】
譲渡する側の先生が診察を終了すると同時に次の先生にバトンタッチするのか、または、一度閉院した後に承継を希望する先生に引き継ぐのかでは状況や条件が変わってきます。

【 手段 】
一口に医院承継といっても色々なパターンがあり、発生してくる問題も解決策も異なってきます。
一般的に、医院承継のパターンは、親子での承継、または他人との承継の2つがあります。さらに、医院が法人なのか個人なのか、テナントなのか戸建なのか、特に戸建の場合は建物を賃貸するのか、譲渡するのか贈与するのか、事前に整理・確認しておく必要があります。ちなみに、親子承継の場合は、こうした事実確認をする機会は、お互いの気持ちを冷静に確認することのできる絶好の機会にもなりますし、さらには法務・税務上のリスクを軽減するためにも、とても大事な事です。


いずれにしましても、院長が何歳の時に、どのようなパターンで承継するのか、院長の将来に対する希望やライフプラン、家族構成や資産状況など、医院を取り巻く現状を整理したうえで、具体的に計画を立てて進めることが重要になってくるでしょう。
 

アドバイザー情報


税理士法人ブレインパートナー 代表
矢野 厚登(ヤノ ヒロト)

昭和62年に日本債券信用銀行入社後、監査法人トーマツを経て、平成9年にブレインパートナーを設立。
単に記帳代行業務などだけを請け負うだけではなく、経営者のパートナーとして共に事業のことを真剣に考える関係になるよう心がけています。
著書もいくつかあり、「介護保険と病院経営」「病医院の経営・会計・税務」等を執筆しています。

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