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伊東 由宇
エンパワーヘルスケア株式会社

変化する医療機関ホームページの広告規制
(2)規制内容が決定


前回に引き続き、医療業界におけるホームページの表現規制について 、弊社も会員である特定非営利活動法人インターネット医療協議会事務局長の三谷先生を特別ゲストに向かえ、医療機関ホームページの広告規制の「現在」について紹介していただきます。
 



三谷 博明先生プロフィール

特定非営利活動法人インターネット医療協議会事務局長。インターネットの草創期にアトピー性皮膚炎の医師・患者ネットワーク「COSMOSネット」を開始。インターネット医療の環境づくりをめざし、趣旨賛同の医師らとともに、1998年、NPO法人「日本インターネット医療協議会」を設立。厚生労働省「インターネット等による医療情報に関する検討会」委員(2001年)。厚生労働省「医療情報ネットワーク基盤検討会」委員(2002〜2011年)。主な著作:「eヘルス革命-インターネット医療最前線」(2001年、日本医療企画)。


厚労省のガイドラインイメージ固まる

医療機関のホームページと広告規制に関し、この3月に開催された厚生労働省の「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」において、「医療機関のホームページに関するガイドライン(仮称)」の概要が判明しました。成文化されるのは来年度ですが、イメージとして発表された内容は末尾のとおりです。

本ガイドラインは、今般の美容医療サービスの広告等における消費者トラブルの増加に伴う関係省庁からの要請を受けたものですが、大きくホームページへの記載が禁止される事項と記載しなければならない事項を分けて説明しています。最高表現や他との比較等により優良性・優秀性を示そうとするもの、内容が誇大なものや医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調は不可としました。早急な受診をあおる表現や、費用の安さの過度な強調なども禁止されることから、よくある「○○キャンペーン」「期間限定」「○○%OFF」といった表現はNGとなります。

また、記載を義務づける項目として、特に自由診療に関して、通常必要とされる治療内容、費用等や治療等のメリットだけでなく、リスクや副作用等の情報提供をあげています。

いずれも、これまで原則広報扱いで規制対象外とされてきた医療機関のホームページに実質的な規制の網をかぶせようとするものです。極端な広告の目立つ自由診療分野を主に想定していますが、保険診療を行う一般の医療機関も例外ではありません。

問題改善されない場合は、規制強化も

 
前回解説した医療法上の広告の3要件(誘因性、特定性、認知性)の観点からみると、今回3要件のひとつである誘因性が著しく高いことが問題の要因になっていると分析、誘因性が過度にならないようホームページでの表現等で守るべき指針を示した、とみることができます。
禁止事項は医療広告ガイドラインで規定された禁止事項に準ずるものであり、誘因性が高いと判断されればホームページを広告とみなして規制対象とすることもできそうです。

同検討会の報告書では、「ガイドラインの実効性の把握に努め、改善が見られない場合には、対象を絞りつつ法規制も含めてその後の対応を検討する。」としていることからも、関係者はきちんとした対応を迫られます。

第三者認証の仕組み活用も


また、同検討会で議論された「医療機能情報提供制度」と関連して、「適切な内容の医療機関のホームページを有用な情報源の一つと位置付けて、医療機能情報提供制度のホームページから各医療機関のホームページへリンクを張ることを進める。さらに、有用な情報源となり得るホームページとそうでないものとの差別化を図る観点から、今後作成する予定のガイドラインに準拠した医療機関のホームページに限定してリンクを張るなどの工夫を可能な限り取り入れる。」(検討会報告書より)と記しています。

ガイドラインが具体化し、運用が始まる今後に向け、自院のホームページを点検するとともに、ガイドラインに準拠していることを客観的に示すため、第三者認証の仕組みを活用するなどして、自主的にホームページの質を高め、利用者に認知してもらうよう努めていく必要があるでしょう。
 

「医療機関のホームページに関するガイドライン(仮称)」


○ ホームページへの記載が禁止される事項
(1)内容が虚偽にわたるものや、客観的事実であることを証明することができない内容のもの
  ・無痛治療や絶対安全な手術といった非科学的な表現
  ・伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用
(2)他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
  ・「日本一」や「最高」といった優秀性について誤認を与えるおそれのある表現
  ・「著名人も受診している」といった優良誤認を与えるおそれのある表現
(3)内容が誇大なものや、医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
  ・非常に限定された成功事例等を紹介し、効果を強調するもの
  ・任意の専門資格や施設認定などの過度な強調
  ・医療機関にとってプラスとなるような口コミ情報のみの掲載
  ・提供される医療の内容とは直接関係のない事項の誇張
(4)早急な受診を過度にあおる表現や、費用の過度な強調
  ・「キャンペーン中」や「期間限定」といった表現や費用の安さの過度な強調
(5)患者・国民の不安を過度にあおり、受診を促すもの
(6)公序良俗に反するもの
  ・わいせつ又は残虐な図画や映像
  ・差別を助長する表現

○ ホームページに記載しなければならない事項
・自由診療に関して、通常必要とされる治療内容、費用等
・自由診療に関して、治療等のメリットだけでなく、そのリスク、副作用等

                 (厚生労働省「医療情報の提供のあり方等に関する検討会(第11回)」資料より)

 

 

 


今回決まったガイドラインだけでなく、今後もHPを見る一般の方に向け、安全で正確な情報発信のために新たな規制が出来てくることも考えられます。患者にとっても、医療機関にとってもトラブルを避けるために一定の基準は必要であると思われますので、随時関連法案の変更には着目していきましょう。

アドバイザー情報


 
 
エンパワーヘルスケア株式会社

医療機関専門のホームページコンサルティングを得意とし、ドクターと患者、それぞれの目線に立ち、そのクリニックにあう、最適でより効果的なクリニックホームページ、スマートフォンサイトを数多く制作。
また、広告の見せ方などの知識を活かし、ロゴ・診察券・リーフレット等の相談も引き受けている。

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