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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術
(4)リニューアル後に後悔しない電気設備の注意点

患者さんの満足度に影響する「設備」

前回の(3)他院と圧倒的差をつける「アメニティーの充実」では、キッズコーナーやパウダールームといった患者さんが直接目で確認できるアメニティーのポイントについて紹介した。今回は、体感面で大きな影響を与える「設備関係」について触れていきたい。

設備とは大きく分けて下記の5つに分けられる。

●電気設備
●空調設備
●換気設備
●給排水衛生設備
●防災設備


今回はそのうちの「電気設備」について掘り下げていく。ポイントは「照明」「コンセント」である。

 

電気設備の注意点 ①照明計画で気をつけること

【体調に配慮して柔らかい光を】
最近では、待合室・トイレ・廊下にはなるべく柔らかい光になる電球色や間接照明を使用するクリニックが多く見られる。体調が悪い患者さんに配慮して、あまり強い光は避けよう。

【診察・処置の照度は明るく】
一方で、診察室や処置室には、通常の蛍光灯を使用して照度を保とう。診察や処置をしっかりと行えるような照明が不可欠である。老朽化した診療所では、待合室や診療スペースにおいて全体的に照度不足で薄暗いイメージがある場合が見られる。リニューアル時には解消しておこう。

また、エコーなどを使用する場合やリカバリー室には、光の照度を変えられる調光装置などがあると便利であろう。クリニックで必要となる検査機器に合わせた照明計画をしっかりと立てていきたい。

【トイレなどに自動点灯機能を】
トイレなどに入室時に照明が自動点灯し、ある一定の時間で消灯する人感センサーを設置しよう。消し忘れ防止や省エネにもつながり、好ましい。


電気設備の注意点 ②コンセント設置で気をつけること

【電源確保のため、電気容量アップや分電盤を】
リニューアルと同時に医療機器を入れ替える場合にも注意が必要である。老朽化したクリニックでは医療機器の作動中にブレーカーが落ちる可能性もないとは言えない。電気容量のアップや、分電盤の新設・改造が必要になるだろう。

築年数が経っていると、建築や内装工事を行った際の図面が保管されていない場合も多いので、現地調査を行いしっかりとした配線計画を組んでおこう。

【拡張も想定してコンセント口数を考える】
リニューアルに伴い、新規に電子カルテを導入する場合も多く見受けられる。拡張性を持たせる他の機器の同時導入も多いので、コンセント口数は現在最低限必要な数よりも多めに用意しておくこと。特に受付カウンター上にはモニター類や予約システム機器、カウンター下にはPC本体や無停電装置、プリンターなども設置されるので、十分なスペースも確保しておきたい。

【アース付コンセントも対応可能に】
最近の機器はアース付(3つ口)のコンセントが多いので、コンセント差し込み口も対応が必要だ。

【コンセントは患者さんからの見た目も大事】
コンセントやLANに関してはあとから増設することもほぼ可能ではあるが、露出配線にするより隠蔽配線(壁の内側に配線)のほうが見た目もよいので、将来導入するかもしれない機器が考えられる場合は、事前に設置しておいたほうが良い。

次回は引き続き、設備について。中でも「空調設備」「換気設備」についてクローズアップしていきたい。

 

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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