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開業時、苦しい経営からの成功事例

[2012.03.16]

辛 浩基先生プロフィール
蒲田駅から徒歩5分。大通りに面したビルの4階に「しんクリニック」<内科、糖尿病内科、眼科>はある。院長 辛 浩基先生が開業を決意したのは、平成8年。これまで大学病院にて糖尿病腎臓の専門として教授の右腕となり研究・臨床を続けていたが、同教授の引退をきっかけに自らも独立を考えるようになり、教授とのオーストリア国際会議を最後にして6年間の医局勤務に幕を下ろした。それからわずか5ヶ月での開業。そんな辛院長に開業スタート時からの苦労話から、医院経営に関するお考えを語っていただいた。

 

 

調査をほとんどせず開業。当時は暇だった。

―開業地は、どのように決定されたのですか?

立地や条件などは構わず決めてしまったところが多かったですね。周りに医療機関がどれくらいあるかなども全く調査していませんでした。今考えればもう少し準備期間をおいてやればよかったなと後悔しています。

考えたことといえば、以前勤務していた大学病院が大田区大森にあったので、その患者さんを診たいということと、何かあったときに大学病院に紹介できるという安心感から大森や蒲田にはしようとは思っていました。駅の近くだとサラリーマンなどが通勤時通いやすいというのがあったので、ビルの4階という場所ではありましたが、駅に近いという理由から決めてしまいましたね。

―実際、開業してみていかがでしたか?

いざ開業してみると近隣にはクリニックが結構たくさんあったんです。ビルの4階はなかなか目に付かなかったのか、最初の患者さんは1日5、10人くらいでした。当初考えていた「大学病院の患者が来てくれるだろう」という考えは外れて、毎日が暇でしたね。暇そうなスタッフの姿を見るたびに胃が痛みました(笑)。なんとかしなくては、と思いましたね。

でも、自分は、糖尿病専門医なので内科と眼科をやっていれば合併症が起こっても一箇所で診ることができる。その専門性をアピールしていける、きっと患者さんに伝わるだろうと、そう信じていましたね。


地道な営業活動が口コミを呼び、1年後にようやく安定

―そのあと、集患に対する工夫はされたのですか?

時間はたっぷりあったので、これからどうやったら患者さんに来てもらえるか真剣に考えて、営業活動をすることを決意しました。

例えば、工学院大学が近くにあるのですが、そこの保健室の先生に「何かあればうちにご連絡ください」とお願いをしに行きました。また、富士通の企業健康管理室に挨拶回りをしたりしました。レントゲンなどがないので、検査はうちでしてもらうようにお願いしましたね。

やれることはやらないとと思い、1階の看板をわかるように工夫したり、医師会の特定健診(無料健診)の案内を看板に貼ったりなど、お金をかけるだけではなくて自らの足で歩いて、参考資料を読む。時には頭を下げることも必要なんですよ。できることは何でもやって、地域の皆さんにクリニックの存在や考えを知ってもらおうと思いました。そこから半年くらいして徐々に患者さんが増えてきました。新患からの口コミもあって、1年位してからやっと、なんとか生活できるようになりましたね。