Home>>【開業前に】開業計画>>「そろそろ開業…」と思う人に伝えたい開業目的の重要性(2)
鈴木 慎一
株式会社エム・クレド 代表取締役

「そろそろ開業…」と思う人に伝えたい開業目的の重要性
(2)開業目的とともに知るべき「開業トレンド」

東日本大震災の影響による開業医の状況

東日本大震災から、一年が経過した。震災後、計画停電などの影響もあり、開業を志して動き始めた気持ちが沈んでしまった医師も多かったのではないだろうか。またそれに反し、世の中に不安感のある中でも、自身の強い信念を持って開業に向かっていく医師も多く見られたのも言うまでもない。

2011年は開業を志す医師が開業に向かう気持ちの強さを整理した一年であり、開業をお手伝いしている筆者からみると、開業希望医師それぞれの方の本気度がはっきりした一年でもあったと痛感する。

では2012年の開業はどうなるのだろうか?診療報酬、介護報酬のダブル改訂の影響で今後の開業傾向が気になるところではあるのだが、近年の開業傾向を筆者なりに解釈してみたい。


開業ブーム終焉後も激しい23区内での開業

2000年あたりからの開業ブームによって、2007年には診療所件数は全国で10万件を超えるだろうと言われていた。それまで診療所の件数は毎年約1,000件余りが純増していたのだ。しかし今はその開業ブームも終焉を迎えたと言っても良いのだが、今なお開業を目指す医師は少なくはない。

これは、過去2年間、一都三県による新規開業(新規保険指定医療機関)件数の統計データだ。平均すると毎月60件程度、一都三県で新規開業しているのだ。これを多く見るか少なく見るかは別として、注目して欲しいのは、開業件数の40%が都内23区。市部も含めると一都三県での新規開業50%は、東京都内だと言うことだ。これは、ここ最近に限った事ではない。


 


特に23区内での診療所数は飽和状態であり、経営圧迫状態な新規開業したてのクリニックは少なくはない。独立開業したというのに、生活費や金融機関への返済の為に当直バイトは否応もなく、最悪クリニックを閉院した院長も散見していると聞く。

しかしこのような飽和状態の中でも、東京都、特に23区内での開業を希望する医師がいまだに少なくないのも事実である。開業セミナーを開催してもやはり参加医師の50%が東京都での開業を希望しており、この傾向は先の新規開設件数と同様なデータが見受けられる。今後も東京都内での開業はこの推移をたどるだろうと推測している。

つまり、ますます競争が激化していくのが東京都内でのクリニック開業なのだ。医師の多くは子供の教育も含め東京都内での生活を基盤としており、都内での開業を優先とするのが顕著だ。

 

厳しい23区内での開業で成功していける院長とは

しかし考えてみて欲しい。
開業することが目的ではなく、開業して多くの患者さんから選ばれ、それによって収入を得、生活をしていくことが開業の目的ではないだろうか。東京都内で開業することを反対しているわけではない。人が集まりやすい都心部や駅前ではないとできない医療のスタイルもある。競争激化の中で参入して、大成功している院長もあるのだ。

何故、成功しているのか。

先輩や知人の医師が成功しているから、自分も同様にやれば上手くいく。そう、安易に考えていると命取りだ。開業場所、資金繰りなど自身の経営計画をしっかりもって開業計画を組んで頂きたい。それが、成功する院長とそうでない院長の違いといっても過言ではない。

 

アドバイザー情報


株式会社エム・クレド 代表取締役
鈴木 慎一(スズキ シンイチ)

長年、大手医療モール開発会社で医師の開業に携わってきた経験を活かし、現在は同社で、独自のマーケティング手法を用いて医療モールの開発と医師の開業支援に従事している。また、リース会社への出向経験もあることから、資金調達にも強い。物件選定から資金調達、開業に至るまでの諸準備をオールマイティに支援し、開業の相談に応じている。

アドバイザーに質問する・相談する