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三浦 正浩
株式会社メディファ

後継者を他人に譲る「第三者継承」成功への道
(3)第三者継承のメリット・デメリット Part2

生き継承メリット・デメリット

前回の(2)第三者継承のメリット・デメリット Part1では「死に継承」のメリット・デメリットを紹介しましたが、今回は「生き継承」のメリット・デメリットを紹介していきます。
「生き継承」とは、患者数が継承物件の最盛期の頃より多少減少した程度で、引き継ぐことに期待が持てる継承のことをさします。

 

生き継承の「メリット」

(1)金銭的負担が少なくて済む
□ 運転資金の融資額が少なくて済む
・現在の患者をそのまま引き継げるため、初月からの現金売り上げが見込める
□ 設備資金の融資額が少なくて済む
・医療機器、備品、医院内装、看板印刷物などを引き継げるため
□ 多額の開業資金の融資が不要

(2) スタッフの引継ぎがスムーズ
□ 人員採用時のストレスが無く、スムーズに診療がスタートできる
□ 患者さんはスタッフについているもの。継続スタッフがいると、患者さんに継続的に診療してもらえる

(3) 立地の良いところで開業できる
□ すでに患者の視認性が高い
□ 診療圏の良い立地で開業している医院が多く、周辺医院との優位性が高い
□ 余計な広告宣伝費は削減される(注:院長変更開院のお知らせは必要)

生き継承のデメリット

ただし、デメリットも少なくありません。スムーズな第三者継承のためには、そのデメリットをクリアにしておくことです。

(1) 物件数が少ない

(2)高額な営業圏譲渡金が生じることも
□ 相手方によっては営業権の譲渡金を要求してくる場合がある
・営業権の金額の妥当性を知らずに先方の言うとおりの金額で合意すると 失敗するので注意しましょう。
・医療法人分院の売却や患者数が多い状態での医院継承の場合、 高額を提示されることもあります。もちろん相場はありますが、 個人の思い入れもありますので調整をしましょう。

(2)長期雇用されているスタッフの人件費がかさむ
□ これまでずっと長い間勤めてきたスタッフの中には、 結構な報酬をもらっている方もいるため注意が必要

(3)前院長の影響がなかなか拭えないことも
□ 年配であっても院長先生がまだご自身で診療している場合の「第三者継承」は、 近隣に前院長がおり、どうしても口を出されがち
□ 患者さんにとっても、前院長のイメージが付きまとい、 自分の医院になるまで時間がかかることもある
□ スタッフの中には、前院長のやり方で仕事を進めていく人もいるかもしれない
→しかし、現経営は新院長です。毅然とした態度で対応しましょう。

第三者継承には「調整役」が必要

さらには、保険診療引継ぎのための遡及の手続きや、リースの引継ぎや、動産・不動産、保険等の引継ぎ書類の作成をご自身でやるのは大変なこと。しかも、金銭面の問題は当事者同士ではなく必ず調整役をいれて、契約書面を交わしましょう。金銭トラブルが原因となって、継承が成功しないケースが多いのは、知識のない当事者同士で話をしてしまうからです。

第三者継承といってもさまざまなケースがありますので、次回は実際のケースに照らし合わせてみていきましょう。

アドバイザー情報


株式会社メディファ
三浦 正浩(ミウラ マサヒロ)

1988年、日本大学法学部卒業。食品商社を経て、医師の転職紹介・開業支援コンサルタント会社へ転職し、スキルを身に付ける。
2006年7月に株式会社メディファを設立。調剤機器メーカー、保険調剤薬局の顧問として新プロジェクト立ち上げにかかわる。

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