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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術
(2)コストを大きく左右する間取りのリニューアル

間取り変更のレベルがコストに影響

前回のコラム<成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術(1)>では、簡単に「継承物件」での開業におけるリニューアル費用について取り上げた。
コストに差が出てくる条件について、今回はもう少し掘り下げて詳しく解説していきたい。

リニューアル費用が比較的かからないケース。その一つが「診療科目が同じ」医院である。
なぜなら、内装レイアウトの大幅変更が不要の場合が多いためである。ただし、間取りを変更するかしないかによってもコストは大きく変わる。それぞれのケース見ていこう。

間取りの変更をしない場合
壁紙や床材の張り替え、塗装の塗り替えなど仕上材だけを変えるだけで十分医院の印象や雰囲気は変わる。
しかし、気をつけたいのは、リニューアルできれいになった部分と、既存のままリニューアルしなかった部分の違いが目立つ点。
既存の医院の老朽化の度合いにもよるが、設計者とよく相談し、どこからどこまでをリニューアルするか、納得するまで相談し、アドバイスをもらうと良いだろう。

既存の間仕切壁を変更する場合
床・天井の仕上材の補修も必要になってくる。さらに、壁に付帯しているスイッチやコンセント類、 天井にある照明器具、エアコン、換気扇、煙感知器などの設備の移設など、複雑な工事となってくることが多い。

間取りが大きく変更される場合
エアコンの容量不足、照明器具の大幅なレイアウト変更、医療機器の入れ替え・更新に伴う電気容量の見直しなどの問題も生じてくる。コストも段階的に高くなり、工期も長くなってしまう。


工期を分けたリニューアルも検討しよう

リニューアルの予算が限られているなら、どのような目的を持ってリニューアルを行うかをもとに、あらかじめ重点を置く箇所を検討しておくと良いだろう。
工期が長くなればゴールデンウィークやお盆時期などの長期休暇でも完全に終わらず、休診期間を余分に取らなければならない。 そのような事態を避けるため、工期を分けてしまうという方法もある。

継承リニューアルの項目としては主に「床・壁・天井の仕上材の変更」、「レイアウト変更に伴う間仕切壁の変更工事」、「空調・電気・衛生など設備工事」、「外観のリニューアル(看板サイン変更や塗装など)」などがあげられるが、予算とそれぞれの工期を考慮の上、計画を進めていくと良いだろう。

次回はリニューアル工事においてもうひとつ忘れてはならない「アメニティーの充実」についてお話をしていきたい。

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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