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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

成功する「医院継承」 物件リニューアルの設計術
(1)コストに差が出る! 承継リニューアルの条件

お得な開業「医院継承」もケースバイケース

医院開業の新しい形として、最近「承継」が人気を博している。内装費用が軽減できる、医療機器も引き継ぐことができる、地域の患者に認知されており、集患しやすいなどの理由から、価値が見出されるようになっているようだ。
そこで、長年、医療施設設計に携わってきた者として、
「承継を前提としたリニューアル」について話していきたいと思う。

これまで数多くのリニューアル設計に携わってきたが、「承継」といっても、費用が安くてすむ場合と比較的高額になる場合に分かれる。その違いはどこにあるのだろうか? 第1回目の今回はその違いの紹介から始めていきたい。


費用を抑えた継承リニューアルはここが違う!

数多くの医院承継リニューアルを見てきた経験から踏まえると、承継リニューアルの費用の差が生じる箇所とは下記の通りだ。実際にリニューアル物件を検討しているドクターなら知っておくべきであろう。

リニューアル費用が安い場合
【診療科目】
・継承先と自分の診療科目が同じ
【築年数】
・建物の築年数が古くない
【設備】
・比較的内装が新しい、傷みが少ない(開業後5年以内程度)
・既存照明器具・エアコンなどが使いまわし可能
・看板が使用可能

リニューアル費用が高くなる場合
【診療科目】
・診療科目が異なる
【築年数】
・開業してからかなり年数を経ている(開業後10年以上)
【設備】
・インフラ設備、外装、看板が老朽化している
・水漏れが発生している
【診療状態】
・休診・閉院期間が長い(閉院してから長い年月を経ている)

また、リニューアルに伴う細かな工事が積み重なることで、最終的な工事金額が上昇してくる場合もある。特に気をつけてもらいたいのは、古い建物で建築図面がない物件。 解体工事のさなか、想定外の事柄が発生することも多く見られるからだ。
この場合、軽微な事柄であれば大事に至らないが、場合によっては大きな追加の出費に繋がりかねない。

そのような事態を避けるためには、事前調査を設計士に頼んで現場調査を行うことが重要となる。 場合によってはオーナーに許可をもらい、事前に問題がありそうな個所や見えない部分についての一部解体許可をもらっておくのも得策である。
ただし、許可されない場合もあるので注意が必要だ。

次回から、承継リニューアルを成功させるポイントについて、より深く検証してみたい。

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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