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戸崎 泰史
株式会社日本政策金融公庫

経営者に意識を切り替え! ①スタッフの労務管理

勤務医と開業医との大きな違い

今回は、この違いについて考えていきたいと思います。
例えば、皆さんが勤務医であった時、ご自分が勤務されている病院の看護師の方や事務担当の方の雇用形態や勤務評価などがどうなっているかご存知でしたか?
おそらく、詳細な内容についてご存知の方はなかなかいらっしゃらないと思います。
これは、ある意味当然で、勤務医は勤務者であって、経営者ではありませんから、経営者が考えるこのような労務管理をはじめとした様々な仕事には携わる機会はなかったはずだからです。
ところが、皆さまが開業医になられた瞬間から、これらの仕事は、経営者である皆さんの仕事となります。 つまり、勤務者から経営者へ意識を転換し、皆さま自身がクリニックを経営者として、日々経営していく事が必要になる訳です。

クリニックをスタートして、最初から完璧な経営者となられることが困難なのは承知していますが、今まで私が受けてきた様々なご相談を通じて、疑問を感じたケースをご紹介していきます。


専門家に任せきりではないですか?


苦手な分野について、専門家の助けを借りながら運営していくのは効率の面からも効果がありますし、そこで生まれた余裕を、例えば、患者さんやスタッフとのコミュニケーションに活用するのは、安定的な経営から考えると得策と言えるでしょう。

具体的に、労務管理は苦手なので、社会保険労務士の方と顧問契約を結び就業規則の作成や社会保険関係の手続きなど依頼するのはよく伺うケースです。

ただ、「専門家に任せているから、自分自身は内容の把握はしなくてもいいんだ」、「そのために顧問契約を結んでいるんだから」、「そこは、専門家に任せているから直接聞いてくれ」と、ご面談の際におっしゃる方もいらっしゃいます。 一つの考え方ではありますし否定はしませんが、経営者の姿勢としてはどうでしょうか?

苦手な分野だから全てを任せて、何もかも頼ってしまう姿勢では、経営者としての資質について疑問を感じざるを得ません。

 

具体的な事例で考えてみましょう

例示した労務管理について見ていきましょう。
「就業規則は、先生のクリニックの労働条件ですから、全てを完璧に把握しなければいけません!」と、申しあげるつもりはありません。
しかし、スタッフの勤務体系休日の取扱いなど重要なポイントとなる部分については、社会保険労務士などからレクチャーを受け、基本を把握しておくべきでしょう。 スタッフから、何か勤務体系に関する質問があった際に、「僕は詳しいことは分からないから、あとで確認しておく」などと答えたら、スタッフはどのような思いとなるでしょう。

クリニックを経営されると、日々多忙で大変なことは承知していますが、専門家の方に任せきりにするのではなく、ご自身が関与していくことや専門家から定期的に報告を聞くことは経営者として絶対に必要になるでしょう。

アドバイザー情報


株式会社日本政策金融公庫
戸崎 泰史(トザキ ヤスシ)

株式会社日本政策金融公庫国民生活事業本部融資企画部営業企画グループリーダー。
1993年に国民金融公庫に入庫。東京(現東京中央)支店をはじめ複数の支店勤務を経て、2012年4月から現職。長年のクリニック開業の融資審査経験を活かし、セミナーでの講演をはじめ、開業のサポートを行っている。

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