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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

患者を引き付ける院内設計のポイント
(6)検査の不安を和らげる「検査室」の条件

患者さんにとって、ただでさえ不安な検査。それなのに、検査を受ける場所が寒々しい空間であったりすればその不安は増大する。患者さんに選ばれる医院になるためには、検査室のレイアウトと雰囲気を考慮しておくのが鉄則だ。

最近では検査部屋をアットホームなカラーリングにするクリニックが多い。温かみのあるデザインが患者さんから好まれていると聞く。これらの工夫を活かし、患者さんに安心感を与えるようなクリニックのデザインを考えていくことも大切だ。

それ以外にも、具体的なポイントについて解説していく。


いい検査室の設計ポイントを知ろう

検査室は、検査内容によってレイアウトや仕様が異なる。診療科目により、部屋のサイズ、間取りも異なり、検査機器のサイズ、レイアウトも重要だ。

例1:脳神経外科の脳波検査
音がうるさいと、患者さんの注意が散漫になるので、遮音性を確保すること。磁場が発生する場所(X線室など)に隣接させないようにしよう。

例2:エコー
クリニックでは特別に部屋を用意できない場合が多い。そのため、診察室や処置室での使用が一般的。エコーの機器は比較的熱を発するものである。空調設備において、単独でのスイッチのオンオフや温度調整ができるようにしておこう。照明は調光式対応のものを選ぶこと。

例3:泌尿器科
脱衣しての検査に考慮し、プライバシーが保てる空間で行うこと。

いずれの場合も、設計士とよく相談していくのが賢明であろう。

 

X線・CTは設置のルールを知っておきたい。鉛防護を施して遮蔽を行うのが一般的だ。実際的な数値で言うならば、標準でX線室は鉛1.5mm、CT室の場合は2.0mmで遮蔽を行う必要がある。ただし、管轄エリアにより見解が異なるため、事前に確認をしておきたいものだ。X線遮蔽は、コンクリートの厚みが150mmあれば鉛1.5mmに相当するので遮蔽が不要となる。この点は、建築図を見て判断しておくべきだ。床や天井面にも当然遮蔽が必要になるので確認を忘れずに。

CT室やMRI室には操作室なども必要であるので、その分のスペースを確保すること。MRI室は別途シールド工事が必要で、金額も高額となるため、事前にチェックをしておきたい。当然、熱を発する機器が多いので、エアコンの常時運転も必要になる。

このように、検査機器を導入するとなると、クリニック設計に大きな影響が生じる。機器ひとつでも、総合的に判断して、慎重に選定することをおすすめしたい。

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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