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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

患者を引き付ける院内設計のポイント
(5)診察室・処置室のプライバシーを守る具体案

患者さんのプライバシーを守る設計を

クリニック間の競争が激しい時代にあって、院内のデザイン性を前面に押し出すクリニックも増えてきたが、クリニックはデザインだけで成り立っているわけではない。

大切なのは「患者さんのプライバシーをできる限り守る」ということ。あくまで患者さんがどういう印象を持つかという点に注意しながら、院内設計に取り組みたいものだ。もちろん、建築費や内装費用とのバランスもある。どこにお金をかけるのか、メリハリを明確にしていこう。

 

診察室のポイント

患者が心配事や痛み、症状などを直接ドクターに説明する「診察室」。もしそのスペースで、患者のプライバシーが守られていなかったら、不安を増大させ、安心して診察を受けられない。次のポイントに留意していこう。

1.防音性
レイアウトによっては、待合室との距離が取れない場合もある。診察室内のドクターと患者さんの会話の内容が漏れる可能性がぬぐえない。特に精神科・乳腺外科・産科・婦人科・形成外科・美容皮膚科などはデリケートな話になるので配慮すること。

【具体案】
① 間仕切壁の内側や天井にロックウールなどを充填
※ロックウールの充填については㎡あたり2000円程で可能。
② ドアは防音対応の製品を使用
③ 遮音シートを壁の内側に貼る
④ ドアも引戸より開き戸に(開き戸の方が防音性に優れている)

これらの解決法は、グレードや仕様により性能の違いや金額の違いがある。事前にどこまで必要なのか、自身の診療科目に応じて、きちんと設計士と打合せしておきたい。

2.間仕切やドア
診察室の隣に処置室を持ってくるレイアウトが比較的多い。このとき、それぞれの部屋の間にドアを設けるか設けないかもプライバシーにおいて重要となる。開業が始まり、診察をしていくなかでドアの設置要望が出てくることもあるので、事前に検討しておくことをおすすめする。一昔前の診療所のように隣の部屋の声が筒抜けになるような設計は避けたほうが良い。

【具体案】
① 迷うなら引戸を設置しておこう
  (必要時以外は開けっ放しということもできる)
② 天井まで間仕切壁を伸ばす(音漏れ防止効果も)


処置室のポイント

様々な検査や採血、点滴が行われる「処置室」。一度に数人の患者さんの世話をしなければ ならない場合もあり、省スペースであることが求められる。

【具体案】
①ベッドはスペースを取るので一部をリクライニングチェアーに
②照明器具に工夫(点滴中に少し照明の照度を下げることも。直接光が目に入らないよう な照明器具を選ぼう)

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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