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矢野 厚登
税理士法人ブレインパートナー 代表

クリニック経営でのトラブル対応術
①待ち時間対策 ~開業準備段階から待ち時間対策を考える~


第1回、第2回とクリニック創業時に多い労務トラブルの対応術を解説してきました。そこで第3回目の今回は、労務以外のトラブル対応術について解説していきたいと思います。

「待ち時間が長い」は病医院共通の不満 第一位


患者さんにとって待ち時間は大変苦痛です。もちろんクリニック全体でより効率よく業務をこなすのが重要なのは言うまでもありませんが、創業当初のスタッフの数も限られる中では、繁忙期にはどうしても患者さんをお待たせしてしまう事もあるかと思います。
そういった待ち時間の苦痛さを少しでもやわらげるための工夫、対策は、開業後では遅すぎます。予想される1日の来院患者数から待合室のスペース、椅子の数、更には駐車場の確保等のハード面の対策は必要です。

今回は、更に増患にもつながる待ち時間対策について解説していきます。


待ち時間対策のための5つのポイント


① 雰囲気作り
院内の雰囲気作りはとても重要です。「気持ちが落ち着く部屋」をイメージして、視覚・聴覚・嗅覚に対して優しいものが心地よい空間の演出となるのではないでしょうか。例えば観葉植物を置く、アロマを焚く、照明(スポットライト)、BGMの活用は非常に有効です。
また、診療科ごとの年齢層に合わせた家具の形・色の選択も大事な要素となります。もちろん清潔感が大事である事は言うまでもありません。

② 設備の充実
加湿器、空気清浄機、消毒用アルコールの設置はもちろんのこと、夏は冷たい、冬は暖かい飲料水の提供はとても喜ばれます。遠慮しがちな患者さんに気持ちよく利用してもらうために可愛らしいポスター等を貼っておくと効果的です。

③ 予約システムの導入
最近は、予約システムを導入しているクリニックも多くなりました。インターネットでの予約受付システム導入することで患者さんの満足度はアップします。開業後に導入した場合、認知されるのに時間がかかり利用頻度がすぐに伸びないこともありますので開業に合わせてスタートするのがベストです。

④ 待たせ方を工夫する
患者さんが新たに病医院を探す際、待ち時間の長さのみが大きな要素をなるとはかぎりません。当然評判も気にしていますから逆に待合室に患者さんが1人もいなければ心配になります。時間短縮を気にするあまり、患者さんに窮屈な思いをさせてしまったり、質の低下につながっては本末転倒です。
雑誌・漫画等を置いて退屈しないようにする。待ち時間の目安を伝え、順番が近づくまで自宅で待ってもらい、携帯電話で連絡をする等、患者さんが過ごし方を選択できるよう配慮することがサービスの向上にもつながります。

⑤ 本当に大事なのはコミュニケーション能力
患者さんは常に「最先端の医療機器」や「医療技術の最高水準」を求めている訳ではありません。結果的に長時間待たされたとしても診察室に入った時、先生が一言「長い間お待たせしましたね。」と優しく声をかけてもらえるだけで救われた気持ちになるものです。最適な医療サービスを提供するためにも常に「心のこもったコミュニケーション」をスタッフ一同で実践してもらいたいものです。


アドバイザー情報


税理士法人ブレインパートナー 代表
矢野 厚登(ヤノ ヒロト)

昭和62年に日本債券信用銀行入社後、監査法人トーマツを経て、平成9年にブレインパートナーを設立。
単に記帳代行業務などだけを請け負うだけではなく、経営者のパートナーとして共に事業のことを真剣に考える関係になるよう心がけています。
著書もいくつかあり、「介護保険と病院経営」「病医院の経営・会計・税務」等を執筆しています。

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