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鈴木 慎一
株式会社エム・クレド 代表取締役

開業ベストパートナー「薬局」の力
② 薬局との連携が重要な五つの理由

薬局との連携はなぜ必要なのか?

医療機関と保険調剤薬局(以下、薬局)の密な連携はタブーとされていると言っても、患者が安心して診療を受けるためにはある程度、医療機関と薬局、医師と薬剤師の連携が求められる。院外処方を行うのであれば、薬局(薬剤師)と協力関係を甘くみてはいけない。今回は、連携が必要となる具体的な理由について紹介していく。
理由を知った上で、どんな事を確認しながら連携を深めていけば良いのかを学んでいただきたい。


◆理由① 「すぐに薬を受け取りたい」という患者ニーズをかなえるため
患者は医療機関を出た後すぐに薬を受け取りたいと考えている。事実、近くの薬局で薬を受け取るケースがほとんどだ。これは「医薬分業」が当たり前な都市部以上に、地方郊外でも強いニーズがあるとも言われている。いずれにせよ、全国的な患者ニーズと考えて間違いないであろう。

そうした患者ニーズをかなえるために、「医療機関の医療体制」と「薬局の開局体制」を整えておくことが重要である。つまり、診療日と診療時間の調整が必要となる。

日々の診療はもちろんのこと、日曜・祝日を診察日として充てた場合に生じる営業日変更にも対応してもらわなくてはいけないだろう。突発的なケースにも対応してもらえる体制を整えておきたい。たとえば、診察終了が長引いてしまった日でも自院の処方せんを持った患者がその日中に薬を受け取れるよう、開局時間を延長してもらうなどの対応ができるだろうか。いざ薬局に行ってみると、照明が落ちていて誰もいかなったなんてことになれば、薬局だけでなく、医療機関への満足度も低下しかねない。医師会の輪番で休日診療を行う場合に、薬局も協力してもらう必要がある。


◆理由② 薬局のイメージが医療機関のイメージに影響するため
理由①でも述べたが、薬局での満足度は医療機関の満足度に直結してしまうものだ。薬が受け取れなかったケース以外でも、薬局での対応の悪さに対する不満は、一切関係ないとは言え、医療機関へのイメージ低下に繋がりかねない。逆に言えば、薬局での満足度が医療機関への満足度にも繋がるということにもなる。相互で努力していくことが大切だ。


◆理由③ 服薬に関する説明状況を把握するため
処方した薬に関して、患者が何処の薬局(薬剤師)でどんな説明を受けているのかを把握しておきたいところ。事前に、薬の説明の内容もある程度共有し、患者に誤解が生じないようコンセンサスを取っておくと良いだろう。医院で実施する製薬メーカーの勉強会に近隣の薬剤師を誘い、参加してもらうのも良い試みだ。これは理由②にも関わることだが、医療機関と薬局が職員同士も含め、日常的にコミュニケーションをとっておくことが今後の日々の経営に役立ってくるものである。


◆理由④ 在宅への取り組みを円滑にするため
高齢化が進む現在の日本の状況下にあって、医療の方向性として見過ごすわけにはいかないのが「在宅医療」だ。今後もますます増えつつある現状で、居宅への訪問対応を薬局(薬剤師)にも呼応してもらう必要が生じている。


◆理由⑤ ジェネリックへの取り組みを円滑にするため
CMなどで誰もがその名を知ることになった「ジェネリック医薬品」についても対応が求められている。まだまだ躊躇している医師も少なくないようだが、ジェネリックの使用状況が個別指導の対象となったり、保険点数で不利になることもあるようである。患者側でもジェネリックを望む方が増えている。常にでなくても良いが、要所要所でジェネリックの処方を促進していく方法を薬剤師と事前に摺り合わせし、計画していくのもひとつの方法だ。センスの良い薬剤師なら、患者と医師の立場を考慮した良いアドバイスをしてくれるであろう。


すべては患者のため。その一点をぶらさず、安心できる医療体制を整えるためにケースバイケースで連携していくと良いだろう。

アドバイザー情報


株式会社エム・クレド 代表取締役
鈴木 慎一(スズキ シンイチ)

長年、大手医療モール開発会社で医師の開業に携わってきた経験を活かし、現在は同社で、独自のマーケティング手法を用いて医療モールの開発と医師の開業支援に従事している。また、リース会社への出向経験もあることから、資金調達にも強い。物件選定から資金調達、開業に至るまでの諸準備をオールマイティに支援し、開業の相談に応じている。

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