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戸崎 泰史
株式会社日本政策金融公庫

円滑な資金調達のために知っておきたい金融機関の本音
②金融機関の信用を得る方法

ごまかしは禁物


前回のコラムで金融機関の担当者が何を考えているか、おぼろげな姿はご理解いただけたかと思います。今回は、金融機関の担当者に具体的に信用してもらうためにはどのようにすればいいか、そのポイントをお伝えしていきます。

皆さんは「粉飾決算」という言葉を聞いた事がありますか? 粉飾決算とは、不正な意図をもって、実績や財務状態を実際より過大に見せたり、過小に見せたり、操作を加えた決算のことです。

金融機関の担当者は、粉飾決算に代表されるごまかしを最も嫌います。ひとつごまかしを見つけてしまうと、他にもごまかされているのではと疑心暗鬼になり、相談をお断りするための材料探しに終始する事になってしまいます。

分からない事が出てきたときには、ごまかして回答したりするのではなく、分からないと正直に申しでて、後日確認して回答して下さい。そのような真摯な姿勢が、担当者と皆さんの間に信頼関係を構築する事になります。


通常、信用を得るためには日々の積み重ねが重要になってきますが、担当者と相談を進めている短期間でそれを築くことは非常に難しいでしょう。

では、どうすればよいか?

日々の積み重ねが示された客観的な「モノ」、第三者の方が積み重ねを評価してくれた「モノ」などを、資料として提出する事が出来れば解決出来るでしょう。


例えば、あなたは、どちらの友人を応援しますか?
ここで皆さんイメージしてみて下さい。あなたの友人が、開業のための自己資金(100万円)が記帳された通帳を持参してあなたに応援を求めています。

Aさん
100万円がポーンと記帳されている通帳を持参

Bさん
5万円ずつ20カ月間積み立てが記帳され100万円となっている通帳を持参


どうでしょう、あなたは、どちらの友人を信用し、応援しますか?

金融機関に勤めている私の答えは、Bさんです。


同じ100万円という自己資金が記帳された通帳ですが、内容は全く異なります。
日々の積み重ねが客観的に示されている事で、金融機関に対するインパクトは大きく変わってきます。

使える有効資料とは?

他にも、専門分野に関する研究を発表した論文、雑誌等のインタビュー記事、勤務医として患者さんからもらったお礼状なども有効な資料になります。自らの言葉でアピールすることは重要ですが、それに加えて裏付けとなる資料を提出する事が出来れば、金融機関に対する信用度は大きくアップするでしょう。

1点、このような資料は開業に備え日ごろから残しておく事をお勧めします。いざ必要となって探しても、既に捨てていたり、すぐには揃えられないものだからです。

今回お伝えしたポイントは、明日からでも準備が始められるはずです。思い立ったが吉日です。みなさん、すぐに準備を始めて下さい。

アドバイザー情報


株式会社日本政策金融公庫
戸崎 泰史(トザキ ヤスシ)

株式会社日本政策金融公庫国民生活事業本部融資企画部営業企画グループリーダー。
1993年に国民金融公庫に入庫。東京(現東京中央)支店をはじめ複数の支店勤務を経て、2012年4月から現職。長年のクリニック開業の融資審査経験を活かし、セミナーでの講演をはじめ、開業のサポートを行っている。

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