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高橋 邦光
株式会社ラカリテ 代表取締役

患者を引き付ける院内設計のポイント
(3)診療科目別! 支持される「受付・待合室」 Part1

受付・待合室は診療科目によって工夫が必要

どんな患者さんもまず来院してすぐに目に飛び込んでくるのは「待合室」であり「受付」である。ここで患者を引き付けることができるかが重要となってくる。

ただし、同じ待合室であっても、診療科目により少しレイアウトに変化をつけることをおすすめしたい。椅子やソファーが置いてあるのはどの診療科目でも同じであるが、レイアウトには工夫が必要である。なぜなら、それにより、患者さんからの支持が大きく変わってくるからだ。今回は診療科目ごとにどのような工夫が患者さんに喜ばれるかについて紹介していく。

 

 小児科
まず、子供向けアメニティーの充実が重要。「キッズコーナー」を設けると
良いだろう。絵本・おもちゃを置いておいたり、アニメDVDを流しましょう。
診察までの待ち時間を比較的静かに落ち着いて過ごしてもらえるものだ。

設計上ポイントとなるのが、怪我防止のため壁や床にクッション材を使用すること。また、使用する際には靴を脱いでもらうことにより汚れ防止にもつながる。すると、材料も長持ちするのでクリニックにとっても好都合だ。また、受付カウンター部分もすべての角を丸くすることにより、怪我防止にもつながるので有効。小児科ならではの配慮と言えよう。

さらに、付き添いなどで来院される親御さんにも配慮が必要となる。待合室や廊下の突き当たりなどに「授乳室」や「粉ミルクを作れるスペース」を設けよう。親御さんの安心感が高まる。ただし、ここで気をつけなくてはならないのは、プライバシーに配慮した設計であるかどうかだ。注意しておきたい。 


整形外科
圧倒的に多いのが高齢の患者さんであることから、車椅子での来院にも配慮して、待合室のスペースはやや広めにとっておきたい。杖をつきながらの来院も多いため、受付カウンターには杖のホルダーを設置すると良いだろう。待合の椅子やソファーの高さは標準より高めに。座り・立ち上がり時に体への負担を軽減する工夫も喜ばれる。

また、廊下や通路の手摺は、患者さんの移動の負担を軽減できるのでおすすめしたい。
ただし、ここで重要ポイント。建物が完成した後に手摺を設置しようとすると、下地の補強等が必要なので費用負担が大きくなってしまう、ということだ。このように、今後のメンテナンスを考慮した設計を考えることも重要だ。待合室、通路、廊下の壁面にも事前に工夫を施すことでメンテナンス費用が大きく変わってきてしまう。特に、床から1mくらいまではクロスであれば強度の強いものを。できれば木板や衝撃や傷に強い素材を選ぶと長持ちする。


心療内科
外部から中が見えないような配慮が必要であるとともに、あまり視線を交わしたくないと考える患者さんも多いため、一般的な椅子やソファーの配置にこだわらず、カフェの窓際のカウンター形式のテーブルを設置するなどの工夫が必要だ。


レディースクリニック/泌尿器科/乳腺外科
心療内科と同様に、外部から中が見えないように配慮が大切である。


次回も引き続き受付・待合室の工夫として内科の場合のポイントを紹介していく。

 

アドバイザー情報


 
株式会社ラカリテ 代表取締役
高橋 邦光(タカハシ クニミツ)

英国ニューカッスル大学 経営学部卒業後、中国人民大学に留学し、平成13年10月に株式会社リチェルカーレを設立。
医療施設に特化した設計事務所、医療施設の建築設計監理、内装設計施工を行っており、最近では病院の放射線治療施設の設計施工も数多く手がけている。その後、2016年に株式会社ラカリテを設立。

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