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戸崎 泰史
株式会社日本政策金融公庫

円滑な資金調達のために知っておきたい金融機関の本音
①金融機関側が安心できる融資先とは

自己資金だけで開業するのは難しい人へ

過去にはありましたが、クリニック開業のための資金をすべて自前でまかなえる方は少なくなっています。
多くの方は、自己資金だけでは不足が生じ、金融機関からの資金調達を行います。
従って、開業を考えられているドクターの皆さんは、金融機関と資金調達について交渉を行う必要がある訳です。
今回は、「交渉を行う相手である金融機関が、ドクターの皆さんをどのように見ているのか、何を考えているか」
について説明していきます。 是非、開業計画を考える上で参考として下さい。

 

既存クリニックの相談と開業の相談は何が違う?


金融機関は、「経営内容が良好で貸倒れのリスクが低い、つまり安全性の高い企業に融資出来れば」と考えています。
そのために、毎期決算書を提出してもらったり、実際に業務を行っているクリニックを訪問したり、
今後の事業計画をヒアリングして、クリニックの姿を明らかにしていきます。

一方、これから開業するクリニックはどうでしょう? 
当然のことながら、決算書はありませんし、見ることが可能なのは開業を予定している場所ぐらいです。
従って、実績の裏付けのない開業の相談では、ドクターの皆さんの熱意や経営能力、
具体的な開業計画書の重要度が高まる訳です。
つまり、金融機関の担当者に、まずは自分という人物を理解してもらい、
自分の開業計画が問題ないものである事を適切にアピールし、信用を得る必要があります。

 

 

クリニックの開業は他の業種と違うの?


結論から言うと違います。
私どもの総合研究所の調査によれば、クリニックの廃業の割合は、 他の業種に比べかなり低い数字となっています。
金融機関側からみると、数ある業種の開業計画の中でも、 クリニックの開業は比較的リスクが低いとみています。

いろいろな事を聞くのは何故?

例えば、現在の低金利の状況では、100万円融資しても、利息収入は年2~3万円というところで、
万が一、融資した100万円が焦げ付いてしまったら、その損失はなかなか取り戻せるものではありません。
会社の業績にも響いてきます。

また、当然のことながら担当者としての責任も追及されてしまいます。
金融機関の担当者が、担保をお願いしたり、開業計画やプライベートな面を根掘り葉掘り調べていくのは、
焦げ付きを出してしまうリスクを避けるためなのです。相談相手である金融機関について、
おぼろげながらその姿が見えてきたでしょうか?

スムーズな資金調達を進めるためには、金融機関の担当者が持っている不安を払しょくして、
「この先生なら信用できる。この計画ならうまくいくだろう」と思わせて、応援をしてもらう事が重要です。
では、そのためには具体的に何に気をつければいいのでしょうか? 次回から、そのポイントをお伝えしていきます。

 

 

アドバイザー情報


株式会社日本政策金融公庫
戸崎 泰史(トザキ ヤスシ)

株式会社日本政策金融公庫国民生活事業本部融資企画部営業企画グループリーダー。
1993年に国民金融公庫に入庫。東京(現東京中央)支店をはじめ複数の支店勤務を経て、2012年4月から現職。長年のクリニック開業の融資審査経験を活かし、セミナーでの講演をはじめ、開業のサポートを行っている。

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